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ナポレオン (1926)

NAPOLEON

監督
アベル・ガンス
  • みたいムービー 10
  • みたログ 40

4.21 / 評価:19件

by 偽kamiyawar(知恵袋)

  • ese******** さん
  • 2019年4月9日 13時00分
  • 閲覧数 332
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

素晴らしい映画だよなぁ。
ナポレオンはナポレオンになる条件が揃ったから成ったんじゃないんだよ。ナポレオンになろうと思ったから成ったんだよな。こう言うと解りやすいだろ?
今の人もそういうエネルギー(夢)で生きようともするんだが、しかし、この夢というものが悉く潰れてしまう。それが何故かということだ。
それは「美しくない」ということに尽きるんだな。本人が「価値」と感じていないから。

例えばバンドを組んで生きたいと思うとするじゃない。本人はそれが夢であり、そうなることが幸福だと思っている。本当にそうなりたいんだよ。
しかしダメなんだな。結局自分のワガママというものは美しくないんだよ。でも今の人は、自分が求める以外の生き方というものを否定してしまっているから。だからここを乗り越えることが出来るかどうか、ということなんだな。

ナポレオンは、初めて貴族ではない人間として大軍団を組織し、皇帝となった。
ナポレオンが『プルターク英雄傳』を愛読していた事は有名だが、あれは歴史の中の英雄に憧れて、その英雄と同じ生を歩もうと思った人間なわけ。
ああいう人間を「自分で決めた」「自分のために生きた」と思ったら大間違いなんだよ。
あれはアレキサンダー大王やレオニダス王の魂に感応したことで、そのように生きようと思ったんだよ。ナポレオンは彼らの魂に連なる役目を背負った人間なのね。

これは考えてみれば分かるけど、私だってアレクサンダー大王やレオニダス王なんかの英雄譚を読めば大感動するんだよ。でも自分が英雄になろうなんて、全く思わないからな。
だから違うんだって。ナポレオンは与えられた運命だったんだよ。

「信ずる」というのはそういう事なんだよ。本物か偽物かなんてことに拘っているうちは何も築けない。
ナポレオンの伝記は鶴見祐輔のものが愁眉だが、読めば分かる。
ナポレオンの凄い所は一兵卒の時から「自分は将来皇帝になる」と確信していた事なんだよな。このナポレオンの雄姿は映画ではアベル・ガンス監督の「ナポレオン」の他、ソ連版の「戦争と平和」にも見る事が出来る。

我々は会社に入って、「俺はこの会社の社長になる」と誰が信じられるものか。社長がそう言ったって信じられるものじゃない。
でも中には信じられる人間がいる。そういう人間は必ずなる。

ナポレオンはアレキサンダー大王を崇拝していた。アレキサンダー大王は遠征で雨のように降り注ぐ矢の中で「絶対に自分には当たらない」と信じていた。そしてその通りになった。
そしてナポレオンもロシア遠征で降り注ぐ砲弾の中で平然と昼食をとった。絶対に自分には落ちないと信じていたから。
これが世界認識なんだよ。どんなに他人にとって荒唐無稽で根拠の無いことであっても、信じている者にとっては真実になる。世界はその通りになるんだよ。

ただし! 信じたことだけだから。人間は自分で自分に枷を嵌める。会社に入って「俺は係長くらいにはなれるだろう」と。思えば必ずなって、そうすると「課長まで行けるか」と。「部長になっちゃうのか、俺は!」と思えばなる。やっぱり信ずる能力はちょっとずつなんだな。我々凡人はそうなんだよ。でもそれでいいんだから。
これを無理矢理に覆そうとすると「毎晩寝る前に自己暗示にかけてください」とかいうインチキ自己啓発の食い物にされる。

「信ずる力」を養うには、歴史の教養以外に方法はない。偉人たちを研究し、歴史的に事実をしこたま自分の中に溜めて、それを人生の信ずる力とするしかない。

ナポレオンは己の為したいことを為したと。まあその通りだ。だがナポレオンの偉大性というのは、そのために物凄い柔軟思想で取り組んだ点にあるんだよ。

それまでの戦争の主体は貴族と傭兵だった。
だからナポレオンは戦争にあたって、とにかく兵士の数がものを言うことに気付いていた。それをもって彼は一兵卒の時に「自分はいずれ将軍になる」と確信したんだな。
人間は自分が実現できない未来は絶対に想像出来ないんだよ。

ナポレオンは兵士の数を激増する手段として一般市民の錬兵ということを発想した。それまでの貴族と傭兵だけでなく、一般市民を兵士にするということ。そのために養成機関(軍事教練)として学校制度というものを創り、国民全体を練兵し、膨大な数の兵力を手に入れた。それがグラン・ダルメという、ヨーロッパを席巻した巨大軍団だ。それをもってナポレオンは制覇した。
また軍規も兵士が上昇志向を持つように巧妙に作り上げたり、戦略も研究し、必勝のパターンを研究し尽くしていた。

言い換えれば、ナポレオンが今日の様な大規模な戦争の元を作り、戦争の悲惨さ(戦いたくない人間にも兵役を課す)の原因となったとも言える。ただ、私自身はナポレオンが大好だ。

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