逃げ去る恋

L' AMOUR EN FUITE/LOVE ON THE RUN

96
逃げ去る恋
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作品情報上映スケジュールレビュー

作品レビュー(9件)


  • ********

    4.0

    自分語りが自分を作る

    1978年。フランソワ・トリュフォー監督。校正として印刷所で働いているアントワーヌは妻と協議離婚するが、新しい恋人とはささいなことからすれ違ってしまう。そんな時、初恋の相手と再会したことから、自らの半生を振り返っていく、という話。 いかにもアントワーヌ・ドワネルもの完結編として、かつての映像が引用されて過去を振り返っているが、主人公が書いた小説の嘘が問題になるように、振り返ること自体、その構造がテーマになっている。人は今の自分のことは何もわからないので、過去をいかに振り返るかが自分自身の今を形成していくことになる。または鏡を見ること。いちいち確認しなければ前に進めない。その自己中心性も含めて、人間とは孤独で愛しい生き物なのだ、とトリュフォー監督は言う。 愛のきっかけがだれかが落とした写真をたどって素知らぬ顔で近づくことであるように、真実の愛は存在せず、あるのは既知の何かの引用と横領なのだ。ロメール監督ばりの恋愛コメディに近い雰囲気のなかにも、トリュフォー監督ならではの「自分とは何か」の探究がある。

  • Kurosawapapa

    4.0

    アントワーヌ・シリ−ズ完結編☆

    この映画は、「大人は判ってくれない」〜「二十歳の恋」〜「夜霧の恋人たち」〜「家庭」と続いてきた、フランソワ・トリュフォー監督によるアントワーヌ・シリーズの完結編(1978年)。 これまでのシリーズの他、トリュフォーの「暗くなるまでこの恋を」「私のように美しい娘」「恋のエチュード」「アメリカの夜」「恋愛日記」などから、名シーンが抜粋されている。 回想シーンとしてだけではなく、ストーリーに合せたカットイン、主人公が映画館で見る映画などに使用されており、トリュフォーを知るほどに楽しめる作品となっている。 20年に渡る映像の数々は、ジャン=ピエール・レオや マリー=フランス・ピジェなど、全て本人の出演ゆえ、とても贅沢な映画。 シリーズ5作を20年間にわたり撮り続け、 子供時代から大人になるまで、俳優が全て同一人物という映画は、他には無いだろう。 ======= 前作で子供が生まれたアントワーヌ(ジャン=ピエール・レオ)だったが、妻クリスチーヌ(クロード・ジャド)との間に協議離婚が成立。 ある日、以前恋をし(「二十歳の恋」の時)、今は弁護士となったコレット(マリー=フランス・ピジェ)と出会い、昔を語り合う。 アントワーヌには新しい恋人サビーヌ(ドロテー)がいたが、なかなか上手い関係を築けないでいた。 ======= アントワーヌは、相変わらず恋多き男。  “逃げ去る恋” を追いかけ、パリ中を走り回る。 多感で、ナイーブで、優しくても、 気もそぞろで、どこか地に足が付かない主人公。 相変わらず女性から厳しいダメ出しも、、、 「 妻も愛人も妹も乳母も看護婦も欲しい人 」などと言われている。 それでもアントワーヌは、自分らしさを全てさらけ出し、 不器用なりに前を向いて生きている。 その姿勢は、 「大人は判ってくれない」のラストシーンでアントワーヌが見せたあの眼差し、、、 全ては、あの視線の延長になっているような気がする。 親に見放された不幸な少年時代は、アントワーヌの人格形成に大きく関与したが、 本作でアントワーヌは、初めて母親の墓地を訪れる。 愛情を注いでくれなかった母を許すかのような、シリーズ完結に相応しい名シーン。 ラストは、一見ハッピーエンドだが、 途中、「 2人が一緒になると失望や幻滅で破綻する 」という台詞もあり、 アントワーヌの人生は、これからも波瀾万丈の予感。 シリーズがこれで完結になったのは、実に寂しい。 中年・老齢のアントワーヌも、是非 見てみたかった。 フランソワ・トリュフォーは、本作の6年後に亡くなったので(享年52歳)、 結局は 叶わぬ夢だったのだが、、、。 ( ジャン=ピエール・レオは現在71歳で活躍中。 ) 自伝的作品として、トリュフォーの代名詞とも言えるアントワーヌ・シリーズ。 “愛” をテーマにした映画の金字塔として、 今なお、色褪せることのない秀作です☆ (Francois Truffaut:No17/20 ) 今作の監督キーワード:「前人未到のアントワーヌ・シリーズ」

  • 一人旅

    4.0

    13才のボクが、大人になるまで。

    フランソワ・トリュフォー監督作。 妻・クリスチーヌと離婚したアントワーヌの新たな恋の行方を描いたドラマ。 「アントワーヌ・ドワネルの冒険」シリーズの完結編で、最大の特徴は前4作品のいくつもの場面が回想というかたちで挿入されていること。まさにシリーズの集大成で、『大人は判ってくれない』で登場した冷たい母親、『アントワーヌとコレット』のコレット、『家庭』の日本人女・キョーコ、そして『夜霧の恋人たち』から3作品連続で登場するクリスチーヌといった各作品を彩った女性たちや、アントワーヌの寂しい少年時代、ほろ苦い想い出などの名場面が次々に映し出されるのだ。5作品全てで主演を務めたジャン=ピエール・レオは第1作『大人は判ってくれない』出演時13歳、そして本作『逃げ去る恋』は33歳の時の作品。アントワーヌが20年にわたって少年から大人へと成長していく様子は何とも感慨深いものがある。肉体的には髭を生やした立派な中年になっていても、生き方や女性との付き合い方は惰性的でほとんど成長していない点もシリーズの魅力と言えるのだ。 アントワーヌはシリーズを通して多くの女性と出会い、恋に落ち、フラれてきた。完結編となる本作でアントワーヌがどの女性と結ばれることになるのか、予想しながら観てみるのも楽しいと思う。離婚したばかりのクリスチーヌとよりを戻すのか、それともキャリアウーマンになったコレットか、あるいはレコード店で働くサビーヌなのか(個人的にはサビーヌが一番可愛い)。一応答えは最後に明かされる。だが、シリーズを全て観てきた人ならきっと、これでアントワーヌの恋が終わるはずはない、と思うはずだ。アントワーヌの恋の人生はいつまでも終わらない。本作もその通過点に過ぎないのだ。

  • スーザン

    4.0

    アントワーヌとうとうお別れ。

    アントワーヌシリーズ5作目。 これで最終章とは淋しい限りである。 ここまで観ると、彼の優柔不断さも頼りなさも子供っぽさも、そしてあのひょうひょうとした仕草も、なんと愛おしくなってくることか。 まさに“われらが”アントワーヌ君、なのである。 今回は、前4作の迷(?)場面がふんだんに挿入されており、ファンサービス満載。 そしてあの初恋相手のコレットが魅力的な女性になって登場。 クリスチーヌや新しい恋人も交えて、女性たちのつながりもオモシロ楽しく描かれる。 映画はここで終わるが、アントワーヌ君の恋の遍歴はこれで最終章とは思えない。 彼は一生女性たちの間を忙しく行ったり来たりするのであろう。

  • sea********

    4.0

    アントワーヌよ、永遠なれ。

    安定していたアントワーヌも、母方の遺伝なのかやっぱり家庭崩壊。 今までの恋の軌跡が随所に散りばめられた、感動と興奮の恋愛賛歌。 新たな運命の女、去っていく妻、過去の女との再会、と目まぐるしい 彼の青春絵巻が目頭を熱くし、こうなったら何とか収めてやりたいと 観客の思惑を率なく拾い上げていく演出。あ~終わっちゃった、という 連ドラが終結した感覚と、アントワーヌの成長ぶりに思わず胸熱くなる。

  • fbx********

    3.0

    うううむ

    「大人は判ってくれない」から始まった、ドワネル=レオ、シリーズの最終作。 私はこれから見てしまいました。 この時は、なるほど、ふんわりした映画だなと、あまり心に残らなかったんですが、 「大人は判ってくれない」を見ると、ああ、ここまで描きたかったんだなと、 トリフォーの気持ちが少し分かった気がしました。 大人になったレオはさえない表情だ。 でも、めちゃくちゃ哀愁を湛えている。 映画と共に年を取ってしまったような。 まさにトラジコミカルな笑顔にやられてしまいます。

  • hei********

    4.0

    最終章 アントワーヌくん、女に裁かれる

    全5部作の最終章は、これまでの4作品のシーンが全体に散りばめられています。そのせいか、映画というよりもテレビドラマ(まさに『北の国から』みたいな)を観ているような錯覚を起こしてしまい、1本の映画としてのまとまりを考えると首をひねりたくなる部分も正直あります。しかし、アントワーヌくんシリーズを観てきた人にとっては、やっぱりうれしいやら懐かしいやらで、その辺はつい大目に見てしまいたくなるわけです。 女にだらしない(というか甘えている、というか愛してやまない)アントワーヌくんは、最終章ではあろうことか、過去から現在に至るまでに恋愛関係となった女たちに、こてんぱんにやられてしまいます。 先鋒 コレット(初恋相手&苦い失恋相手。現在は弁護士) 次鋒 キョーコ(不倫相手の日本人女性。回想シーンのみに登場) 中堅 リリアーヌ(一時の火遊び相手。絵本作家) 副将 サビーヌ(現時点での本命。かわいい系ギャル) 大将 クリスチーヌ(妻。二人の間に一人息子あり) あっちにこっちに、女たちの間を行ったり来たりする(もちろん走って!)アントワーヌくんは、はっきり言ってかっこ悪いし、情けない。でも全然憎めないのです。 トリュフォーが「絶望的なハッピーエンド」と称したラストは、まったくもってその通り。アントワーヌくんの物語は30歳半ばで一応の幕は閉じるけれども、40になっても50になっても、彼はきっと女たちの間をふらふらしているんだろうな、と。 トリュフォーの分身として生まれたアントワーヌ・ドワネルというキャラクターは、ジャン=ピエール・レオの分身ともなり、最終章にまでくると完全に一人歩きしているような感さえあります。 アントワーヌくんが生きていたら、今は60半ばくらい。 まだまだ元気に、若いギャルからおばあちゃんまで、女のお尻を追いかけていることでしょう(もちろん走って!)。

  • じぇろにも

    3.0

    ネタバレ朝のベッドのOP

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • いやよセブン

    4.0

    ドワネル君、最後は?

    アントワーヌはクリスティーナとは離婚、レコード店に勤めるサビーヌと同棲していた。 そして初恋の女性コレットと出会う。 「大人は判ってくれない」、「二十歳の恋」、「夜霧の恋人たち」、「家庭」と続いた、20年にもわたる話を同じ役者で描くという稀有な映画もこれでおしまい。 そのせいか、今回は随所にこれらの映像が挿入され、ドキュメンタリーの総集編みたいな感じ。 アントワーヌとコレット、クリスティーヌ、キョウコ、リリアーヌ、サビーヌの女性5人、果たして最後は?

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