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家路 (1943)

LASSIE COME HOME

監督
フレッド・M・ウィルコックス
  • みたいムービー 4
  • みたログ 51

3.86 / 評価:16件

愛犬映画の元祖

  • 晴雨堂ミカエル さん
  • 2009年8月21日 13時20分
  • 閲覧数 350
  • 役立ち度 11
    • 総合評価
    • ★★★★★

 「ラッシー」と聞けば、60年代から70年代の時期に小学生時代をおくった年代の人にはアメリカのTVドラマ「名犬ラッシー」に登場するコリー犬を思い浮かべるだろう。私も小学生の頃に観ていた記憶がある。
 コリー犬ラッシーを主人公にした映画・ドラマは無数に制作されており、日本でも「ムーミン」や「ハイジ」などで有名な「世界名作劇場」でアニメ化されている。現在でもリメイクされ続けているので、今の子供にも知名度があるかもしれない。
 
 ラッシーはいわばイギリス(またはアメリカ)の忠犬ハチ公といえる。元々の原作舞台はイングランドのヨークシャーであり、本作は原作に沿った内容で制作された第一作目である。ラッシー映画の元祖であるだけでなく、愛犬映画の始祖でもある。

 ラッシーは血統たしかな自慢の愛犬、飼主の息子ジョー少年とラッシーは強い絆で結ばれていて、ハチ公と同じく少年が下校する時間帯になると学校まで迎えに行く。ところが父親が失職して困窮し犬を飼うどころではなくなったため、ラッシーは侯爵家へ売られてしまう。それでもラッシーは地面に穴を掘って犬小屋から脱走しジョー少年に会いに行く。そのたびにジョー少年はラッシーを連れて侯爵家に詫びをいれるのだが、そのつど令嬢プリシアと会ううちに仲良しになる。(余談1)
 
 業をにやした侯爵は北のスコットランドの別宅へラッシーを連れて行き、残忍な調教師に徹底調教を命じる。ジョー少年は悲しむが、ラッシーはスコットランドの犬舎も脱走し、有名な冒険の「家路」につく。川を泳ぎ、雪山を横断し、銃で撃たれたり、盗賊と戦ったり、様々な善良な人の助けもあってヨークシャーに戻る。
 侯爵はラッシーの心に負けて、ジョー少年の父親を新たに犬舎の管理人として雇い、ラッシーを「これは買った犬ではない」ということにして諦めた。
 
 だいたい、こんな粗筋だったのではないかと思う。ベタなストーリーだが、今年(2009年)封切のディズニーアニメ「ボルト」を観れば、基本ストーリーはこの「ラッシー」第一作目の影響下にあるのは理解できよう。「ボルト」は「ラッシー」のバリエーションに過ぎないと言い切ってもいい。また、この当時からハリウッドは子役と動物を演じさせるのが巧い事が判る。

 公開年は1943年、なんと第二次世界大戦中だ。日本では国威発揚の映画を盛んに作っていて余裕の無い時期に、アメリカではこんな愛犬物語をつくる。アメリカの愛犬文化と国力の凄さを思い知る作品でもある。大人になるとつい作品の経済的背景まで覗いて斜めに観てしまう。
 今の子供が観ても、さほど古さは感じない映画だと思う。
 
(余談1)侯爵家の令嬢プリシア役は子役時代のエリザベス・テイラー氏が扮している。当時まだ12歳頃だったのではないか。当たり前の事だが、今はお婆さんのエリザベスもこの頃は長い黒髪・太い眉、気品があって気の強そうな美少女だ。
 オールド映画ファンにとっては、「日のあたる場所」「若草物語」「クレオパトラ」などを思い浮かべるだろうが、私はラッシー時代のエリザベス・テイラーが好きだ。子供の頃から長い黒髪・太い眉の女性に憧れ、ジーン・シモンズやオードリー・ヘップバーンが好きだったが、このラッシーのプリシアお嬢様が背景にあるかもしれない。

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