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眠れぬ夜のために

眠れぬ夜のために

INTO THE NIGHT

115

stanleyk2001

3.0

中東系のステロタイプに思う事

『眠れぬ夜のために』(Into The Night)1985 ヒチコックが得意とした巻き込まれ型サスペンスもの。ただしジョン・ランディスが撮るとコメディ色が強くなる。時々残酷な場面もあるけど。 80年代の音楽が懐かしい。 主人公は不眠症に悩むサラリーマン・エド。寝付けずに深夜ドライブをして空港に立ち寄った所で追われている金髪美女ダイアナに助けを求められる。 ダイアナ役ミシェル・ファイファーがとてもキュート。彼女は4人の中東系の男たちに追われている。男達は彼女の連れの男をナイフで刺し殺し彼女を誘拐しようとしたのだ。 男達が狙うのは彼女がイランから密輸してきた6個のエメラルド。 エメラルドを狙うのは彼ら中東系の男たちばかりではない。イギリス人(デビット・ボウイ)、フランス人(ロジェ・ヴァデム)達も彼女を付け狙う。大規模な不動産買い占めを狙う黒幕の女傑(イレーネ・パパス)がラスボスだ。次々起きる危機を乗り越えていく2人の運命は? 巻き込まれ型で始まり国際的な陰謀に発展していく。カーアクションも頑張ってる。カウチに寝転んで観るのに相応しい佳品。 中東系の4人組はダイアナとエドが立ち寄った場所に次々と現れて家探しをする。探すというより家具や食器や美術品を破壊しまくる。彼等が欧米の習慣に馴染めないでトンチンカンな事をするのがギャグとして演出されている。 「欧米の価値観を理解できない中東系はやたらと破壊しまくる」911を予言している?いやまさか。「トゥルーライズ」でもそうだったけどモスリムの人達はハリウッド映画の中で散々笑い物にされてきた。 アッバス・キアロスタミ監督の映画を見ればわかる様にイラン人も喜び悲しみがあり日々を懸命に生きる同じ人間だ。無知蒙昧で暴力的な野蛮人ではない。 この映画で描かれている様なモスリムに対するステロタイプがモスリム達に欧米の価値観への反感を育てたのではないか? 欧米社会が現在食らっているテロは自分たちが何十年も前から撒いてきた偏見が自分に跳ね返ってきたのではないか。 能天気な80年代映画を観てそんな事を考えた。

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