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野いちご (1957)

SMULTRON-STALLET/WILD STRAWBERRIES

監督
イングマール・ベルイマン
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3.83 / 評価:163件

優雅な方にも、老後の孤独・不安があるの?

  • 百兵映 さん
  • 2018年4月17日 19時08分
  • 閲覧数 637
  • 役立ち度 3
    • 総合評価
    • ★★★★★

 ご老人が独白する。字幕を(ちょっと長いけど)そのまま転写すると、
「いわゆる“人付き合い”のおもな中身はそこにいない誰かの噂をし悪口をいうことだ。/私はそれがいやで友を持たなかった。/人との付き合いを断った。/年を取った今ではいささか孤独な日々だ。」
「生涯がむしゃらに働いた。/不満はない。/単なる労働ではなく科学の進歩に貢献できた。」
「息子も医者になりルンドに住んでいる。/結婚して長いが子宝には恵まれていない。/
母は高齢だがいまだに元気いっぱいだ。/妻のカーリンはとうの昔に死んだ。/アグダは優秀な家政婦だ。」
「私は学者肌で気難しく扱いにくい。/そのせいで自分も苦労したが――/周りの人間にも散々苦労をかけてきた。」
「私の名はイーサク・ボルイ。/78になった。/明日ルンド大学で名誉博士号を受ける。」

 私の「周りの人間にも」こういう「人との付き合い」を疎ましく思い、それでいて「孤独な日々」も心地良くはない、「学者肌で気難しく扱いにくい」のが(何人も)居る。「78」才というから年齢的にはワタシも近い。映画は、このイサーク・ボルイ氏の一人称の回顧録。

 興味がある。冒頭の独白シーンだけでも、およそ想像もつく。そして、その想像のとおりだった。共感できるし、納得もいった。さてこのご老人、名誉博士号も授与されてこのあと如何お過ごしになるのだろう。

 彼は嫌な夢を見る。その悪夢を振り払ったのは、長いこと疎遠だった娘だった。そして、ドライブ中に出会ったヒッチハイクの若者たちだった。それでハッピー・エンド。

 いやいや、エンドじゃないんだ。79才から先、「学者肌で気難しい」ままで、生きていけるのかな?いやいやいや、こういうのこそが余計なお節介というもの。

 ワタシ? 私は大丈夫。「優秀な家政婦」も居ないし、「名誉博士号」なども縁がないけど、……。「周りの人間にさんざん苦労をかけた」ことはないし、「気難しくあつかいにくい」こともないから、それよりもなによりも、彼にはないものがうちにはあるのだから。そう、子どもたちはすぐに子宝に恵まれて(だからワタシは孫宝に恵まれて)、妻は「高齢だがいまだに元気いっぱい」(だから必ずワタシより長生きする)。もちろん、誰にも苦労はかけない。ねっ 「周りの人間」の皆さん? そうでしょ? 

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