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野いちご
2013年7月20日公開

野いちご

SMULTRON-STALLET/WILD STRAWBERRIES

902013年7月20日公開

kps********

3.0

虚無主義に囚われる

ベルイマン作品5本目!!かな? 前回見た『ファニーとアレクサンデル』で、監督との致命的な相性の悪さを感じたんですが、この作品を見て大体納得。 この監督、人間の力、それが人生に及ぼすエネルギーみたいなものをほとんど信用してないんじゃないかな? 自分は人間の力や芸術の力のようなものをこの上なく信用しているので、なんともベルイマンの描く世界が薄ら寒いものに見えてしまうんですが、人間の愚かさに倦み、人間との関わりを避け、理性や知識に生きた彼の人生は果たして無駄だったんだろうか? 名誉博士号を受け、大学での授賞式に出席できるまでの高みに到達した研鑽や鍛錬は果たして彼の人生に力を与えなかったのだろうかという疑問。 ここがすっぽりと抜け落ちているので、とてつもなく浅い映画に見えるんですが、人や家族との繋がりの欠如に人生の後悔や絶望を見るというものが、彼にとっての本質であるなら、イサクは早い段階で自殺していると思いますね。 人生の意味を問い続ける作家(監督)さんらしいんですが、人や愛の持続的な繋がりの不可能性から浮かび上がってくるものは、幸福な家族に対する憧れのようなものだったりするんですよね。 そこらへんなんとも底が浅く見えてしまうのは自分だけでしょうか? 人生を賭した監督の全仕事から、このレベルの価値観しか生まれてこないのはなんとも哀しいお話ですよね。 人生の些末さを、例の如く仰々しい感じのスタイルで描く手法もあんまり気に入らないんで、もう監督の作品は見ないかな。 自分には凡庸な監督に見えるなあ。 批判的になりましたが普通に良作ではあります。 ★3つでよろしく。

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