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野いちご
2013年7月20日公開

野いちご

SMULTRON-STALLET/WILD STRAWBERRIES

902013年7月20日公開

jir********

3.0

老人版スタンドバイミー

ロブライナーのスタンドバイミーは少年になりきろうと膝をついて子供目線で監督たちが生活したり、出演する少年たちの実際の悩みと役の悩みをリンクさせて制作された。 なので少年時代の瑞々しい気持ちが反映されている。 本作は、歳をとり大学教授として名誉だけはある老人が自分の功績を祝ってもらう式典があるため旅に出るという物語。 このお爺ちゃん、とにかく周りに人がいない、友達もいないし奥さんもいない。 人付き合いというのは、 他の友達の評価を延々と聞かされるものなのでうんざりだ、と 仕事だけに打ち込んできた その結果寂しい 今、圧倒的に寂しい・・・ ただもう年寄りなのでどうにもならない。 これは、まるまる現代の若者の未来を示唆しているようだ。 その老人の寂しさ、無力感などが 見ていて老人に一緒になりきるかのように見事に体現されている。 そういう部分がスタンドバイミーと共通しているのだが、スタンドバイミーの、友よそばにいてくれ、という意味は 本作では真逆になる。 あっちは友達に囲まれた少年時代、こっちは孤独な老人ということで。 時計に 針がついていない夢を見たり自分の存在意義を失ったり、この老人は、生きているが死んでいる。 この、生きているか死んでいる、というのは黒澤明の、生きる、にも続いていく話だ。

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