観終わった後酒が欲しくなるのは俺だけか
- ビデオ屋ジョニー さん
- 2012年9月2日 16時31分
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この映画を観たのは今から20年以上前で、まだ本屋にブコウスキーの小説や詩集は並んでなかったと思う。情報として何となく人物像を知っていて、ショーン・ペンやトム・ウエイツなんかが彼をリスペクトしていると何かの記事で読んだのと、当時まだ好きだったミッキー・ロークが主演ということで観たのだろう(ちなみにミッキー・ロークを好きになったきっかけは、コッポラが撮った「ランブルフィッシュ」を観てからで、嫌いになったのは、くどいようだが、例のボクシングの試合。だが、「レスラー」はいずれ観るだろう)。まず、タイトルがいい。酒場に集るハエの意。主人公のヘンリー以外にもハエ達は出てくるが、孤独で、ある種の狂気すら覚える者たち(特に歯が抜けた中年の女性と、へらへらと意味もなく笑う老女)に、不思議と弱さや憐みを感じない。むしろ仲間達とつるんで、陽気に振る舞う者達に滑稽さを感じる。共演のフェイ・ダナウエイがこれまたカッコイイ。「俺たちに明日はない」のボニーを演じた(瓶のコカコーラを飲むエロチックなシーンが忘れられない)若い頃とはまた違った大人の色気を漂わせている。また、俺が好きな撮影監督のロビー・ミュラーがこの物語の背景に見事な色彩を与え、酒と女を愛し、喧嘩に明け暮れ、歯も磨かないダメ男に、あっけらかんとした光を照らしている。舞台がLAだからか・・・・。観終わった後、無性に酒が飲みたくなる作品だ。
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