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ハウリング (1981)

THE HOWLING

監督
ジョー・ダンテ
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  • みたログ 163

3.22 / 評価:49件

現代風”狼男”の壮絶な復活

  • カナボン さん
  • 2008年10月28日 23時15分
  • 閲覧数 839
  • 役立ち度 12
    • 総合評価
    • ★★★★★

戦前戦中にかのユニバーサル映画で、実に様々で有名なモンスター達が誕生してきたことは、ホラー映画ファンでなくても結構知られています。蠅男、半魚人、ミイラ男、透明人間、オペラ座の怪人などなど、大挙に暇がありません。しかしこれらのダークヒーローたちの中でも、3大モンスターとして挙げられるのは、吸血鬼ドラキュラ、フランケンシュタインの怪物、そして狼男であることに異論のある方はいないでしょう。

今日のお題目は「ハウリング」です。

これら3大モンスターはいずれも人気者であり、ベラ・ルゴシやボリス・カーロフ、ロン・チャーニーJrの映画をご覧になっていなくても、知らない人はいないと思います。実際、世代を越えてまで愛されるモンスターの代表格です、現代においてもこの3体はそれぞれブームを呼び、色々な映画で復活してきました。

本作は1980年代前半に一大ブームとなった狼男の現代版です。当時、本作の他にも「狼男アメリカン」、「ウルフェン」、「狼の血族」などの佳作が作られました。

ご存じ狼男は、従来の設定では満月の夜に人狼に変身し、人を襲うという物語です。狼男を倒すには銀の弾丸を使うほかないということも有名ですね。
でもこの昔からの設定を現代に甦った狼男にそのまま当てはめるわけにはやっぱりいきません。仮にも「エクソシスト」や「オーメン」、「サスペリア」、「ゾンビ」、「13日の金曜日」などの名作ホラー映画が発表された後の作品です。言ってみればホラー慣れしてしまっている観客たちに戦前と同じ様な人狼を持ってきても失笑の対象にしかならないでしょう。

そこで現代の人狼映画には様々な工夫がなされることになります。先述した同時期3作品は、一つはコメディタッチで、一つはサスペンスショッカーとして、もう一つはファンタジーとの融合という切り口で描かれました。いずれもよく出来た作品だと思いますので、またいつかレビューさせていただけたらと考えています。

さて本作はどうなのかというと、まず人狼の設定が見事に現代風にアレンジされています。昔のように満月の夜だけではなく、その心に怒りの感情を宿すことにより変身するという設定。話の導入部も、奇怪な連続殺人を追うテレビのリポーターが、犯人らしき男の呼び出しにより、悪名高きNY42丁目のポルノショップに赴くところなど、実に現代の病巣部分を映し出すアプローチです。これにより、観客は昔々のおとぎ話でなく、自然とこれは現代の話だということをすり込まれるわけです。ここがまず秀逸ですね。

かといって、昔からの不死身の怪物狼男に対する敬意も忘れていません。それがやはり本作の狼男は銀の弾丸でないと死なないというところ。警官に射殺された筈の者が生き返っていて、集落の住民全員=人狼の集団と共にヒロインに襲いかかろうというクライマックス、銀の弾丸を詰めたライフルを手に颯爽と現れるヒーローに喜びもひとしおw。この王道ともいえる設定を現代にうまく適合させた演出は特筆すべきです。

そして決して外せないのが、人狼への変身シーン。ドラキュラやフランケンシュタインにはない、人狼ならではの設定です。これをどのように描くかが現代風狼男映画の真髄といってもいいでしょう。
本作では、特殊メイクアップアーティストのロブ・ボッティンが腕によりをかけた驚愕のシーンとなっています。今ではCGでもっと簡単に表現できるのでしょうが、やはりこの作品の変身シーンの迫力はいくらCGと言えども敵わないのではと思えます。
本作のもの凄さを目の当たりにしてしまった「狼男アメリカン」のジョン・ランディス監督とメイクアップアーティストのリック・ベイカーが、変身シーンを撮り直したという逸話は有名です。
(余談ですが、ボッティンはベイカーの弟子であり、ベイカーとしては師匠のメンツにかけて負けるわけにはいかなかった。結果「アメリカン」の方の変身も驚愕の出来であり、ベイカーはこの作品でアカデミーメイクアップ賞を受賞します。師の面目躍如といったところですね。)

ドラキュラもフランケンシュタインも現代に復活はしていますが、自分としてはやはりこの狼男の復活が最高の出来だと思われます。
特に変身シーンを初めてご覧になったならば、そのもの凄さに言葉も出ないと思いますよ。

詳細評価

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