人間であることを失わなかった蝿男
- cyborg_she_loves_me さん
- 2017年10月16日 0時31分
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ほぼ確実にリメイクを先に見ちゃう現代の人って、ある意味で不幸ですね。この映画を見る時も、「ホラー」という枠にはめて見てしまい、「怖い」かどうかという物差しで評価してしまう。それじゃこの映画の真価はまるっきりわかりません。
蝿男の顔の作りが安っぽいからといって笑うような人は、お願いですから見ないでください。
これは「悲劇」です。そして、「人間」であるとはどういうことか、を考えさせてくれるドラマです。
アンドレが黒板に「LOVE YOU」と書きなぐるシーンは、涙なくしては見られません。科学の探求に我を忘れた天才科学者ではあったけれど、最後の最後は「人間」であることを失わなかった。
だからこそフランソワもアンドレの息子のフィリップに、「真実を探求することは人間のもっとも尊い行為なんだよ」と言い、フィリップも「科学者になりたい」と言うんです。この会話のシーンが、この映画の最大のクライマックスです、この映画作った人のメッセージなんです。蜘蛛の巣のシーンではなくて、です。
50年代アメリカ映画に独特のこのノーブルな美しい映像、そしてとても綺麗な英語も、魅力ですね。吹替えではなく、原語(字幕)で見ることを強くお勧めします。
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