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激しい季節

激しい季節

ESTATE VIOLENTA

93

bakeneko

5.0

ネタバレリッチョーネの夏の海辺で…

第二次世界大戦のイタリアの転換期である1943年の夏を舞台にした、大学生と未亡人の恋物語で、戦争中だというのに煌く夏の光に包まれた海のリゾート地でバカンスを謳歌する人々の中で芽生えた純粋な愛が描かれてゆきます。 夏の日差しに満ちたイタリアの砂浜が眩しい映画で、青春を謳歌する大学生の主人公(本作が実質的なデビュー作である、ジャン・ルイ・トランティニャン 28歳)と戦争未亡人:エレオノラ・ロッシ=ドラゴ(34歳)の純愛が加熱してゆく様子を見せてゆく正統派恋愛映画で、ジェラール・フリップ&ミシェリーヌ・プレールの「肉体の悪魔」や、モンゴメリー・クリフト&ジェニファー・ジョーンズの「終着駅」を連想させる“一途な愛の顛末”が描かれます。 主人公の父親がファシスト政権の大物であることや、1943年にイタリアが枢軸国から脱落した時期―ムッソリーニの逮捕(7月25日)→新政権の成立→降伏(9月5日)までの激動期が物語に組み込まれていて、主人公は父親のコネで兵役を逃れていたが、ムッソリーニの逮捕=ファシストの凋落で徴兵されることになりますし、早期降伏を促すべく連合軍戦闘機が列車を襲撃する事態もクライマックスで描かれています。 富裕階層である主人公の仲間達の青春を謳歌する様子も映し出されていて、主人公に恋する女友達に扮してジャクリーヌ・ササール(18歳♡)が伸びやかな肢体と水着姿を魅せてくれます。 また、名匠フェリーニの故郷であるリミニ県の海岸地帯ということで、砂浜に打ち寄せる波の光景は「道」、「青春群像」、夏のバカンスの活気は「アマルコルド」を連想させますし、サーカスが頻繁にやって来ていたことも判ります。 未亡人に可愛い娘がいることもアクセントになっている―大人の恋愛映画で、叙情的なテーマ曲も印象的ですよ! ねたばれ? 兵役に付くべくボローニャに足を向ける主人公ですが…あと数週間で戦争は終わります(あっ、でもその後延々と内戦が…)

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