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八月の砲声

八月の砲声

THE GUNS OF AUGUST

99

bakeneko

5.0

ネタバレもう決まったことだから…

戦争を真正面から取り上げた文明的考察の著作群が有名なバーバラ・タックマンの1962年のピューリッツァー賞に輝いた世界的名著の映像化作品で、“誰もが望まなかった第一次世界大戦が生み出されていく過程”を描いた、知的ドキュメンタリーの傑作であります。 え~、2013年の後半期に注目を浴びた知的傑作「アンナ・ハーレント」のヒロインはユダヤ系で、“大量殺戮の心理”を見事に解剖して見せた傑物でしたが、本ドキュメンタリーの作者であるバーバラ・ワートハイム・タックマンもアメリカの東欧系ユダヤ人で、“なぜ、だれもが嫌でしょうがなかった戦争が世界規模で起こったのか?”という疑問を、鋭い明察力で快刀乱麻のごとく明快に解いて提示したのが本作の原作であります。 本映画は、原作の文章と写真部分を、全て実際の歴史資料と映像で映し出して再構築して見せてくれる“動く名作ドキュメンタリー”映画で、原作を読むよりも明確に且つ感覚的に戦争を起こすメカニズムを見せてくれます。 そして、100年前と現在が如何に似通った状況であり、今まさに人類と国家が全く成長せずに同じ轍を踏んで行こうとしていることに震撼するのであります。 "どのように第一次世界大戦が始まったのか”-を開戦前後の1ヶ月間の政治と軍事の全体像を検証分析して見せてくれるドキュメンタリーの傑作で、経済的に依存しあっていた国々が、どの様な誤算と過信に基づいて、戦争に突入していったのかが分かる名作ですが、現在も過去も日本語版ソフトは発売されていませんので、興味のある方はyoutubeの映像(“The Guns of August”全編ノーカット英語版です)でご覧になるか、原作(ちくま学芸文庫)をお読みになると良いと思います。 ねたばれ? 全ての国の指導者が異口同音に吐く“一度決定されたことは、変更してはなりません!”が事態を雪だるま式に悪化させていく経過が恐い…そういえば最近“もう特定秘密保護法は可決されたんだから”て台詞が…

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