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バットマン リターンズ

ジャビえもん

5.0

ネタバレサイコなやつら

映画の後半でこんな会話があります。 「君は何者なんだ」と問うブルース。 「わからないの…」と答えるセリーナ。 サイコって、こういうことなのでしょうね。なりたい自分となれない自分のはざまで苦しんだり、表と裏の顔があったり、いくつもの顔を持っていたりというのは、多くの人間がそうなのだと思います。それ自体は異常なことでもなんでもない。問題は、自覚しているか否か。自分がいくつかの顔を使い分けていることや、そのときどきの顔がどれなのかといったことを意識できていない人間は、怪しいのでしょう。 そんなサイコな怪人たちが大集合しているのが、この映画です。 とりわけそのサイコっぷりが際立っているのは、セリーナ=キャットウーマンです。 セリーナがキャットウーマンになるくだりは、とにかく怖い。 ぶっ壊れたセリーナは、家中をぶっ壊しまくります。こ、怖すぎる。 普通にこんな女性は見かけるだけに、それだけに、余計に怖い。 そして、超カッコいいキャットウーマンに…。 ああ、あの鞭で思いきり叩かれたいっす。 怪人ペンギンも、存在感たっぷりです。 不気味さ、奇怪さ、冷酷非道さはもとより、哀れっぽさもあって、しかもユーモラス。 こういう悪役、なかなかいません。 最後にペンギンたちに弔われるシーンでは、思わずほろりとさせられました。 ただ、生魚を食らうシーンはいただけないね。下品過ぎます。 クリストファー・ウォーケンが演じた悪役も存在感があって、結局のところ、バットマンが一番影が薄い。 前作でもそうでしたが…。 ダニー・エルフマンの音楽も、ティム・バートン独特の絵作りもよく、満点、と言いたいところですが、一つだけ難点が…。 今作は、前作のような「大作」という感じが、まるでない。 おそらく、ロケ撮影がほとんどなく、セット撮影ばかりで、しかもセットがしょぼいことがその原因では。 ツリー点灯式が行われる広場。…どこかの裏通りかよ。空間の広さがまったく感じられず、群衆もしょぼい。 キャットウーマンが爆破するデパート。…スーパーかよ。高級感ゼロ。 何度か映される通り。…なんでこんなに道幅が狭いの? メガシティじゃないのかよ。 名士が一堂に集うパーティー会場。…安っぽさ丸出し。金、ねえのかよ。 というわけで、ゴッサムシティの巨大さがまったく表現できておらず、そのせいで、映画全体に「大作」という雰囲気を与えられていません。 まあ、「大作」じゃないんだよ、と言われればそれまでですが、前作とあまりに違って、その点はがっかりしました。 セットにかけるお金、ケチったのかな。

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