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イグアナの夜 (1964)

THE NIGHT OF THE IGUANA

監督
ジョン・ヒューストン
  • みたいムービー 8
  • みたログ 18

3.89 / 評価:9件

渋い味わいの中に、強烈な個性

  • gar***** さん
  • 2013年12月9日 22時33分
  • 閲覧数 711
  • 役立ち度 7
    • 総合評価
    • ★★★★★

 牧師のシャノン(リチャード・バートン)は、女性問題が原因で教区を追われていた。今や旅行会社で、中米旅行のツァーコンダクターをして生計を立てている。ある日、担当した女子大のメキシコ旅行のツァーで、参加した女子大生のシャーロット(スー・リオン)が、シャノンに興味を抱いてしまい、同伴者の教師の怒りを招く。堪忍袋が切れたシャノンは、ツァー一行を親友の妻マキシン(エヴァ・ガードナー)が経営するホテルに連れて行く。そこに、97歳の祖父と旅をするハンナ(デボラ・カー)が現れて…
 テネシー・ウィリアムズ原作の戯曲を映画化。メキシコの片田舎で3か月近いオール・ロケが行われた作品です。
テネシー・ウィリアムズ作品と言えば、映像化が多いことでも知られています。代表格は、『欲望という名の電車』ヴィヴィアン・リー演じるブランチは、演じるご本人の精神疾患を悪化させたことでも知られています。大スター共演と言うなら、『熱いトタン屋根の猫』ポール・ニューマンとエリザベス・テイラーという、世紀の美男美女の演技者としての才能を開花させた1作です。作風は、いわゆる人間が心に巣食う情念をえぐり出すもので、決して後味が良いものではありませんが、不思議と心に残る力作が多いといえます。
 この映画の主役は、訳あり牧師とこれまた色々抱えた3人の女性たちです。まずは、スー・リオンのシャーロット。まだ未成年ですが、そのセクシーさは本物。奔放な振る舞いで、シャノンを困惑させ、そして同伴者を怒り狂わせる(理由がある怒りですが)、まさに代表作『ロリータ』を髣髴とさせるような、恐るべき早熟な少女です。次にデボラ・カーのハンナ。97歳の詩人の祖父と各地を放浪する画家という、これまた風変りなレディ(彼女はまさしく!)です。演じるカーの淑やかな反面、どこか底知れぬ秘密を感じさせる、役作りは実にミステリアスです。そして、この作品の最大の魅力は何と言ってもエヴァ・ガードナーのマキシンです。年上の夫に先立たれた未亡人、しかし女盛りの彼女の放つエロスの何と強烈なことか。登場から、「野生」を思い出させる、豪快さと「ビーチボーイ」たちと夜な夜な「泳ぎに行く」奔放さ…これをハリウッド史上を代表する「魔性の女」が演じるのですから、非常に強烈です。ガードナーは、あまり演技に自信を持てない人だったようですが、この演技はご本人にとっても一世一代の名演技だったと思います。特に素晴らしいのは、バートン、カー、そしてガードナーだけになる後半から。それぞれの持ち味を生かした、やり取りは演技にかける俳優陣の意気込みを強く感じさせます。
 そして、主役シャノン牧師を演じたリチャード・バートン。撮影時は、大スキャンダルとなった、エリザベス・テイラーを伴って、「渦中の人」だったようです(この時のエピソードについては、DVDのドキュメンタリーを参考のこと)。そんな状況ですが、演技へののめりこみ方はさすがです。欲望に流されやすい弱さとそれに葛藤する姿を実におもしろく演じています。彼の存在があるからこそ、3人の女優陣が光っていると思います。
特に、見所は映画の後半。ハンモックに縛り付けられてからです。
 派手さは無いが、演技のできる俳優陣の演技合戦を堪能できる1本。渋い味わいの中に、強烈な個性を放つ作品と言えます。
 最後に、この映画を紹介してくださったomoidarouさんに感謝いたします。渋い良作に出会えました。

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