ここから本文です

花の合唱(コーラス) (1942)

SEVEN SWEETHEARTS

監督
フランク・ボーゼージ
  • みたいムービー 0
  • みたログ 2

2.00 / 評価:2件

総じて地味な印象

  • rup***** さん
  • 2015年2月10日 23時32分
  • 閲覧数 252
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

ユニヴァーサルからMGMへ移籍した製作者ジョー・パスターナックのMGMでの初プロデュースとなる作品です。

オランダから移住してきた人たちが暮らすミシガン州にある町が舞台になっています。町のお祭りである「チューリップ祭」の取材に訪れた記者ヴァン・ヘフリンが泊まった宿の主人には7人の娘がいるのですが、長女は女優に憧れていて結婚には興味がない様子。その家には年上の娘から結婚しなければならないという決まりがあるので、末娘を除いてそれぞれ恋人がいる妹たちは皆やきもきしています。ヘフリンはその一家の末娘ビリー(長女以外は男の子の名前がついている)と恋に落ちることになるのですが…。

冒頭、宿を訪れたヘフリンを部屋に案内する場面で、長女を除く娘たちがリレー式に登場するあたりはテンポが良く、末娘のビリーを演じているキャスリン・グレイスンがピアノを弾きながら歌を披露するところなどもコミカルで楽しいのですが、その後は長女と末娘以外の5人の娘たちが個性的な活躍をみせるシーンがほとんどないので、ストーリーにふくらみが出ないまま話が進んでしまいます。パフォーマンスとしては、途中に挟み込まれるキャスリンの歌のみが見どころと言えるような感じになっていて、全体的にかなり地味な印象です。

肝心のチューリップ祭のシーンもダンスがおとなしめで、ここは「グレート・ワルツ」並みに派手に踊るような演出があればもっと楽しくなったのではないかなと思いました。

また、マーシャ・ハントが演じている女優志望の長女がメイクも濃い目で気取った都会の女性のような雰囲気を強く出しているのが作品のトーンに合ってないように感じました。役柄とはいえ、1人家族から浮いていて、父親の秘蔵っ子として可愛がられている様子が伝わってこないのがストーリーに今ひとつ入り込めない理由となっているのかもしれません。

それでも、美しいソプラノの声の持ち主であるキャスリンが歌を披露する場面には、他の作品とも関連して興味深い点があります。始めにスカーフを被った姿で歌うところなどは、「青きダニューブの夢」のディアナ・ダービンや「Little Nellie Kelly」('40)で"A Pretty Girl Milking Her Cow"を歌う場面のジュディ・ガーランドを思わせる雰囲気で印象に残ります。

さらに、チューリップ祭で川のそばにつくられたキャスリンが歌うステージは、「Nice Girl?」('41)のお祭りのシーンでダービンが歌ったステージと似たセットなのが目を惹きました。「Nice Girl?」と通じる点は他にもみられ、ふらっと町を訪れるヘフリンは、ダービンら3姉妹が父親と暮らす家にやってくるフランチョット・トーンみたいですし、また、長女が女優を志しているという点も共通していてちょっと面白いです。

他の出演者については、父親役として味のある演技を見せているS・Z・サコールのほか、「銀の靴」でダービンの無気力な従兄、「ホノルル航路」ではダービンのボーイフレンド役を演じた大柄で猫背気味なルイス・ハワードが宿に泊まっている新婚夫婦の夫役で、ちらほらと顔を見せているのがユニヴァーサル時代からのつながりを感じます。

パスターナックとしても本作ではユニヴァーサル時代のスタイルをそのまま踏襲していて、まだMGMカラーに乗り切れていない様子が感じられました。この点を踏まえて以降の作品では、当時人気のジャズやラテン音楽の楽団のほか、ホセ・イトゥルビやローリッツ・メルキオールのようなクラシック界の大物をヒロインと組ませる形で作品を華やかにしていったのではないかと思われます。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 笑える
  • 楽しい
  • 悲しい
  • ロマンチック
  • 切ない
  • かわいい
  • コミカル
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ