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蛮地の太陽 (1953)

WHITE WITCH DOCTOR

監督
ヘンリー・ハサウェイ
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3.00 / 評価:1件

古いタイプの王道冒険劇

  • rup***** さん
  • 2020年7月20日 23時55分
  • 閲覧数 81
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

スーザン・ヘイワードとロバート・ミッチャムの共演作で、前年に同じ顔合わせで作られたニコラス・レイ監督による「ラスティ・メン」(DVD化されたときの「不屈の男たち」という邦題に未だ馴染めないので、旧来の呼称を使っています)のような登場人物の人間性を深く掘り下げて鮮烈に描き出すリアリティ志向の作風に対して、本作は古参のヘンリー・ハサウェイ監督作らしく昔ながらの大衆的な娯楽映画といった感じの作品になっています。

勝ち気なヒロインとそれに反発しながらも次第に距離を縮めていく男のやり取りを楽しみながら観ていられる典型的なスター映画でもあり、ハサウェイ監督としては、40年代後半のセミ・ドキュメンタリー映画などよりも本作のような野外冒険劇のほうが手慣れた感じで、テンポよく話が進むのが良いです。

バーナード・ハーマンのパンチの効いたタイトル曲で始まり、スーザン・ヘイワードが男性を伴って秘境を旅する物語なのが、同じハサウェイの監督作である翌年の「悪の花園」との共通点ですが、「悪の花園」よりもロケーション撮影の効果が薄く、セットのシーンのほうが目立っているので、それほど気分が高まりません。

スーザン・ヘイワードが演じる看護師エレンが、コンゴの奥地で医療活動に従事している高齢の女性医師メアリーの暮らす伝道所へ助手として働くために単身やってくる。
上流の現地民の治療に出向いていたメアリー医師のもとへ行くまでの案内役として、現地の事情に詳しいロニー(ロバート・ミッチャム)という男が同行して、2人のジャングル道中が開始されるという展開に。

エレンが、訪れた集落の現地民に西洋医学による治療を施して治癒に成功し、信頼を勝ち得ていくというエピソードがクローズアップされるので、ここが丁寧に描かれていたらもっと作品に厚みが出たのではないかと思われるのですが、抜歯をしたり、新生児のお尻を叩いて産声をあげさせたりという程度の描写であっさりと済ませてしまっていて、終盤において壊疽を起こした患者を治療するという山場も、エレンの奮闘ぶりが観どころではあるものの、ラストに向けて都合よくまとめたという印象が強いです。

現地民もステレオタイプに描かれていて、まじないに頼る未開の人々を科学的知識が豊富な西洋人が助けるという構図がそのまま使われているのも、今観ると相当古めかしい。

ただ、エレンがたった1人で僻地における任務に身を投じようと決意を固めた理由を語る場面はなかなか説得力があって、この役をスーザン・ヘイワードが演じていることに、妙に納得させられてしまいました。

一方、アクションが主体となる場面については、冒頭において檻から逃げ出したゴリラを着ぐるみを着た俳優が演じているためにターザン映画みたいな印象を受けてしまうほか、エレンの治療によって面目を潰された呪術師のタランチュラを使った復讐なども盛り上がりに欠けています。

終盤に、ロニーが黄金を狙うよこしまな男(ウォルター・スレザック)との対決となる場面で、ロニーの使用人であるジャックという現地の若者が急に活躍を始めてロニーの窮地を救うのが唐突な印象を受けるのですが、彼がロニーの足を縛っているロープを切ってから息絶えるところなんかは、死にゆく者に花を持たせるヘンリー・ハサウェイ十八番の演出なので(これをやりたかったがためにジャックという人物を登場させたとしか思えないのですが…)、この場面だけは観ていて思わずテンションがあがってしまいました。

「悪の花園」では、ゲイリー・クーパーとリチャード・ウィドマークの友情ものみたいな締めくくりになって、ウィドマークがカッコいいセリフを決めて終わるといったハサウェイ監督好みの幕切れで押しきったために、ヒロインであるスーザン・ヘイワードが蚊帳の外に置かれて風変わりな印象を受けたのですが、本作では、首飾りの授与により栄誉を称えられるという「スター・ウォーズ 」のEP4で再現されるような古典的な冒険劇における王道のラストをもってきているのがちょっと微笑ましくもありました。

〈冒険映画を10本収録したパブリックドメインのDVDで、今回初鑑賞〉

詳細評価

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