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美人劇場

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ZIEGFELD GIRL

131

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4.0

ネタバレジーグフェルド・フォリーズの女性たち

ブロードウェイの大プロデューサーであるフローレンツ・ジーグフェルドの生涯を描いた超大作「巨星ジーグフェルド」の世界へ再びといった趣の作品ですが、本作ではジーグフェルド・フォリーズに出演している女性たちを中心に描いているため、ジーグフェルド本人は全く登場しません。 監督は前作と同じロバート・Z・レナードで、アステア&ロジャース映画を手掛けたパンドロ・S・バーマンが製作。 ジュディ・ガーランド、ラナ・ターナー、ヘディ・ラマールという当時のMGMスター女優の豪華共演というのが一番のセールスポイントで、この3人にスポットライトを当てて物語が進行するのですが、誰か1人が中心となって話が進むわけではないので、それぞれのエピソードはかなり表面的に描かれています。 3人の役割が、ビジュアルのヘディ、ドラマのラナ、エンタメのジュディというように分かれているので、それぞれ自分の守備範囲で勝負しているといった印象。3人が食い合うようなことがない反面、互いに絡むことが少ないのが若干インパクト不足かなという感じもします。 バイオリン奏者である夫(フィリップ・ドーン)のオーディションに付き添いで来たところエージェントの目に留まりスカウトされるヘディ・ラマールのエピソードが一番あっさりしていて、トニー・マーティンが演じる既婚の歌手から好意を寄せられ、彼の妻から不倫関係を疑われるといったものですが、途中夫ドーンがほとんど出て来ず彼女の心の揺れも大して描かれていないため、かなり印象が薄い感じ。 最もしっかり描かれているエピソードがラナ・ターナーのもので、エレベーターガールからスカウトされたラナがすぐにスター気取りになり、豪華な衣装や靴などを取り揃えて慢心していく前段から、やがてアルコール依存になって、舞台で失敗をやらかしクビになり一気に落ちぶれていくまでをドラマチックに見せてくれます。 ばっちりメイクをした華やかな頃よりも、アルコールで体がボロボロになって、病床についているときの素に近い感じのラナのほうが数段美しく見えるのが印象的。 一方、ジュディ・ガーランドは、歌とダンスで魅せてくれます。父親役が前年の「Little Nellie Kelly」で頑固一徹な父親&祖父を演じていたチャールズ・ウィニンジャーで、本作では大仰なヴォードヴィルスタイルでジュディに歌わせようとするような舞台芸人気質を大いに発揮。 ジュディが歌を披露する場面では、父から教えられたアップテンポの曲調で" I'm Always Chasing Rainbows "を歌ってボツになりかけたすぐあとに、しっとりと落ち着いたリズムで歌い、皆がその歌声に聞き惚れるというのが心憎い演出です。 "I'm Always Chasing Rainbows(虹を追って)"は、ショパンの『幻想即興曲』に歌詞をつけたもので、ジュディの代表曲となった"Over the Rainbow(虹の彼方に)"とは、rainbow繋がりの今ではスタンダードになっている名曲なので、やはり聴きごたえがあります。 さらに、舞台で披露する"Minnie From Trinidad"のナンバーは、バズビー・バークレーの振付で、長い棒を使って放射状にジュディを取り囲むお得意の演出が目を惹きます。この頃のバークレー演出は群舞中心で、ワーナー時代のような舞台空間を跳び超える縦横無尽なものではないのがちょっと物足りないですけどね。 ラストには、「巨星ジーグフェルド」で使われた巨大な螺旋階段のセットが再び登場しますが、その最上段には、前作のヴァージニア・ブルースに代わり、ジュディがその役をしっかりと引き継いで鎮座しています。 女性メインのストーリーとはいえ、トップビリングは、ラナの恋人役を演じたジェームズ・スチュアートなのですが、かなり雑に使われている印象を受けます。 トラック運転手をしている庶民的な好青年が、スターになって贅沢三昧のラナとの間に次第に溝が生まれ、彼女のことで会社の同僚と揉めて解雇。悪い輩に密造酒運搬の話を持ちかけられて仲間に入ってやさぐれた風貌になったと思ったら、いつの間にか逮捕されていて、出所後は、何事もなかったかのように元の好青年に戻っているといった具合で、話の繋ぎにちょこちょこ出ている感じ。 また、ラナの弟役でジャッキー・クーパー、ジーグフェルドのエージェント役でエドワード・エヴェレット・ホートン、ラナに絡むチョイ悪な男の役でスクリーンデビューして間もない頃のダン・デイリーも出演していて、豪華な俳優陣の演技を堪能することができる作品となっています。

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