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陽のあたる場所

陽のあたる場所

A PLACE IN THE SUN

122

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3.0

究極の選択

陽のあたる場所。 この映画は、出世を夢見つつ、綺麗な女性と恋愛をする、というあくまで普通の男性の姿を描いている映画です。 もし、その夢がすべて叶ったとしたら? ジョージ・イーストマンという男は破滅してしまいました。これは不気味なストーリーかもしれません。ただ、その順番が前後しただけなんです。 彼は出世の糸口をつかむ前、同僚の女の子と恋に落ちます。しかしそのすぐ後に出世する道を掴むことができ、同時にお金持ちのお嬢様と親密な関係になります。 世の男性は、こういったとき、どうしますか? ちゃんと前の彼女を大事にしますか? 大事にするよ! 当たり前だろ! と自信を持って言える方は、もう少しよく見て欲しいんです。前の彼女の容姿が平凡で、お金持ちの後の彼女は絶世の美女だったらどうしますか? さらに言えば、前の彼女は気が重くなるようなことばかり言います。やれ責任を取れ、子供ができたら結婚しろ、あなたは浮気者だ、もっと私を好きになってくれなくちゃ困る、などと。 一方、お金持ちの彼女はとても洗練されていて、身分の違いは全く気にしないどころか、より一層強く愛してくれる。あなたのためにいろいろなものを捨てる覚悟があるんです。あなたが窮地に陥っている時も駆けつけてくれて、これからどんなふうになってもあなたを愛し続けると誓ってくれる。 意地悪なことを言いましたが、これでどうでしょうか? 悩むんじゃないですか? 悩むのが普通だと思います。義理とは、実はそこまで強いものではないんです。ただ世間的に「良し」とされているだけで、その内容にまでどの人も踏み込まないんです。その矛盾を突いた作品と言えるかもしれません。 主人公のジョージ・イーストマンは、出世を夢見ています。でもあまり意志が強い男ではありません。だから、この男が嫌いだという人は結構いると思います。自分もあまり好きじゃありません。 出世と恋愛が絡むストーリーは、スタンダールの『赤と黒』を思い出します。でもその主人公ジュリアン・ソレルと比べると、まったくジョージ・イーストマンという男はちっぽけで優柔不断です。 なので、ジョージにやきもきする場面はかなり多いですね。でもあくまで「普通の男」を演出しようとしたのかもしれません。だったら面白いテーマです。 ただ、この作品は、全編を通して、セリフ含めて演出面が過剰なところがあります。これは当時のアメリカ映画の大半がそうだったので、仕方ないんですけど、まあかなりうっとうしいですね。完成度もあまり高いものではないと思います。アカデミー賞というのも変な話ですね。

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