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日陽はしづかに発酵し… (1988)

DNI ZATMENIYA/THE DAYS OF ECLIPSE

監督
アレクサンドル・ニコラエヴィッチ・ソクーロフ
  • みたいムービー 4
  • みたログ 39

4.13 / 評価:8件

歪みは伝染する。

  • amaterasulover︎ さん
  • 2010年10月31日 19時11分
  • 閲覧数 612
  • 役立ち度 24
    • 総合評価
    • ★★★★★

男「書いているってホントかね?
  何も書いちゃいかん、医者なんだろう?
  ヒポクラテスに習って人を癒しなさい。
  扁桃腺にはうがい薬を、風邪には毛糸の靴下とからし、
  不眠症には睡眠薬を。」

主人公「癌には鎮痛剤をか!」

社会共産主義の悪政で、強制移住や言論の自由を奪われている状態。
体制悪という病巣があってもそれを治すのではなく、
自分を癒し騙し、てその病気を受け入れるしかないという状況。
いやですね。。。

この政治的な部分が無ければもっといいのに!と思います。

原作は「世界終末十億年前」というSF。
ノーベル賞がもらえるだろう研究をしている
ソ連の科学者、数学者、天文学者、様々な分野の人達に
発見を阻止するような不条理なことが同時多発的に起きる。
それは、まるで、大きな意志か宇宙人の仕業のように、次々と起こる。
そして、その研究を探るKGBを中心としたソ連の監視社会の物語。
これはこれで、面白かった。

原作も、、体制とか共産主義という要素を盛り込むより、
何かもっと大きな神の意志や
神に近い意志が同時多発的に邪魔をするという
部分が個人的には面白いと思う。

それを、、純粋なまでに結晶化したのが、
タルコフスキーの「ストーカー」なんだと思います。
で、この、暑さとタイプライターは
「裸のランチ」も思い起こさせてくれる。

砂漠の中の出口の無い迷路ような街が消え、
主人公が笑うシーン、、

何か、絡まり続けてきた糸が、解きほぐされるその開放感。
たった一人の、人間との別れがそれをもたらすこともある。
これって、僕は実感的に分ります。過去に体験しているから。

実は、、映画の中の主人公と友人との会話がヒントだと思います。
「海に行ったか?」「いや、もう何年も行ってない。」
「行くべき人間が行っていない。」

このことを僕は、「歪みの伝染」と言っています。

そうなんです、海に行っていない。たったそれだけのことなんだけど、
本来あるべき姿でない「歪み」は、他者に「伝染」するんです。

他のことに置き換えてみましょうか、
単純なことですよ、
恋人が何か不幸だとそれは、あなたに伝染するでしょう?
会社で適材適所になっていない人から、あなたに非効率な何かが伝染します。
それが中の良い友達であれば、もっと伝染します。
つまり、、、
あの店でレジを打っているあの人が、
あなたに影響していることもあるわけです。

それと同じことが、理解を超えたところで起こっているんです。

絶えず動くパズルのようにその人が本来あるべきところに居ないと
その影響をパズル全体が受けるんです。

国家間では、戦争になるでしょう?

つまり、、海へ行くべき人間が海に行った時、総ての不条理は
是正されることがあるわけです。

そんな映画なのです。
だから、、もう少し政治色を抑えると、良かったのにな~と、、

凄~く良い、、映像と、詩的な部分があるだけに残念だと
個人的には思っています。
時代と体制がああだったから当然なんでしょうけど。

さて、、話は変わって

何かを成し遂げようとするとき、
次々と障害が起こることって確かにありますよね。

運命を変えないようにする大きな、壁って。。
結局、、もがいて、やっとこさ、突き抜けることもあれば、
からまって、元に戻ることもある。

でも、、ホント、、どうします?
全く関係ないあの人の歪みだったら。。。w

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