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ビヨンド

ビヨンド

THE BEYOND/L'ALDILA/7 DOORS TO DEATH/SEVEN DOORS OF DEATH

87

りゃんひさ

3.0

ネタバレルチオ・フルチ版『第七の封印』か

ルチオ・フルチ監督の『地獄の門』と『ビヨンド』の名画座2本立て鑑賞。 続いては、1981年製作『ビヨンド』。 米国ルイジアナに建つ古い廃ホテル。 ニューヨークで暮らしていたライザ(カトリオーナ・マッコール)は、そのホテルを遺贈される。 改修をして再開を目指していたが、改修工事で職人のひとりが、白濁した瞳の女の姿を目撃して、転落死。 駆け付けた医師のジョン(デヴィッド・ウォーベック)は、「なにかあれば手助けをする」と申し出てくれる。 というところからはじまる物語だが、巻頭、モノクロ映像で60年前にホテルで起きた事件が描かれます。それは・・・ 36号室で奇妙な絵を描いていた画家が村人たちからリンチに遭い、ホテルの地下で磔にされ、生きたまま酸で顔を焼かれ、そのまま生き埋めにされてしまう。 画家が描いていたのは、このホテルの因縁。 地獄へと通じる7つの門のひとつの上にこのホテルが建てられており、門を通じて観た光景だという。 ほほー、地獄のホテル。 時期的にはスティーヴン・キング『シャイニング』の模倣かしらん。 さて、ホテルの修繕を続けるライザであったが、水道が出ないことはいかんともしがたく、配管工を呼び、地下室での作業を依頼するが、配管工は惨殺されてしまう。 またある日、買い出しに出かける途中、ライザは道路で盲導犬を連れた若い女性に出逢う。 彼女の瞳は白濁しており、彼女に導かれるように、彼女が暮らすコロニアル風の邸宅へ行き、そこで「エイボン書」なる稀覯本を発見する。 本には、7つの門のことが書かれており、白濁瞳の女もライザに、ホテルから立ち去るように告げる。 しかし、後日、その話を聞いたジョン医師がコロニアル風邸宅を訪れるが、そこは50年前から無人であり、「エイボン書」だけが遺されていたという・・・ と展開します。 「エイボン書」とは、『地獄の門』に引き続き、H・P・ラヴクラフトですね。 また、ここでもダシに使われるだけですが、奇妙な雰囲気づくりには貢献しているので、もう許しちゃうからね。 中盤までのミステリアスなムードや伏線は悪くありません。 が、やはり見せ場は血みどろシーンのようで、大蜘蛛の襲来や復活する死体と例によって例のごとく。 ジョン医師はライザとともに、友人医師を頼って勤務する病院に逃げ込みますが、当然のことながら、復活死体のオンパレード。 そりゃ、当然だろ!ってツッコミたくなりますが、よもや死体復活が起こっているとは思わないもんね。 終盤はさらにビックリ。 復活死体のカーニバル状態の病院からホテルの地下室へ。 60年前の画家の死体も登場し、遂には・・・「ビヨンド」! 画家が描いていた絵の世界に到着。 うう、この虚無的ラスト。 拍子抜けならぬ、現世抜け。 伏線回収などといったことは、どうでもいい、忘れた、忘れてくれ、ビヨンドなんだから、というフルチの声が聞こえてきます。 いま気づいたけど、7番目の門を破ったということは、これはルチオ・フルチ版『第七の封印』ではありますまいか。 評価は★★★☆(3つ半)としておきます。

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