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深く静かに潜航せよ (1958)

RUN SILENT, RUN DEEP

監督
ロバート・ワイズ
  • みたいムービー 7
  • みたログ 80

3.55 / 評価:33件

これぞ男意気(笑)

  • カナボン さん
  • 2009年9月30日 22時58分
  • 閲覧数 775
  • 役立ち度 12
    • 総合評価
    • ★★★★★

潜水艦祭りもいよいよ残すところあと2作となりました。ラス前の今日は「眼下の敵」と並ぶクラシックサブマリン物の傑作のレビューをさせていただきます。

第9弾、今日のお題目は「深く静かに潜航せよ」です。

「眼下の敵」の翌年に作られた作品ですがこの作品はモノクロ映画です。モノクロものといえばどうしても古臭さを感じてしまいますが、本作に関してはなかなかスペクタクルシーンも頑張っていて、今見ても結構楽しめる作品です。

まず思うのは、後世に伝えられている潜水艦映画の傑作は、本作にリスペクトを払っているものが多いのではないかということ。既にレビューさせていただいた作品の中に、明らかに本作のシーンを拝借しているものがいくつか見受けられるのですね。
例えば「原子力潜水艦浮上せず」の乗組員皆がグルになって副長に一杯食わすところ。
次に「K-19」の信望厚い副長と、浮いている艦長の図式。更にひたすら厳しい訓練を課す艦長の設定も本作と同じでした。
それに「U-571」で、敵にやられて沈没したと見せかけるために戦死者の遺体を海に投げ出すシーン。こうして見てみると、本作が後の潜水艦物に与えた影響、そしてそれらの傑作が如何に本作を潜水艦映画の鑑として捉えているかが容易に想像できます。

主役はキング・オブ・ハリウッドのクラーク・ゲーブルが艦長のリチャードソン中佐に、そして「OK牧場の決闘」のワイアット・アープ役が抜群にカッコ良かったバート・ランカスターが副長のブレッドソー大尉に扮しています。ハリウッドが誇る2大スターが魅せる男と男の緊迫感溢れる狭い密室ともいえる艦内での意地のドラマが観るものを魅了します。

時は真珠湾攻撃の翌年、九州と四国の間の豊後水道は魔の第7海域と、アメリカ軍に恐れられていた地点。日本が誇る高速駆逐艦アキカゼによって、米軍の潜水艦は何隻も撃沈させられていた。リチャードソンの以前乗っていた艦もアキカゼに沈められ、彼はその煮え湯を飲まされた復讐の機会を窺っていた。その絶好の機会が、ブレッドソーが次期艦長に就任する筈だったナーカ号の出撃。この招かざる客のために、ブレッドソーの艦長昇格は先送りにされ、ブレッドソーを信望する乗組員たちは不満に思う。ブレッドソー自身も最初は副長の座を辞任しようとしていたほどでした。

おまけに魚雷装填、発射の訓練を沖合で何回も行うリチャードソン。そればかりではなく、敵船を発見しても敢えて見過ごし、乗組員の不満は募るばかり。
そんなある日、遂に艦長が今までの訓練の成果を試す日が来る。

数々の潜水艦映画に描かれていることですが、潜水艦の攻撃方法は魚雷を発射して、一目散に潜航して天敵駆逐艦の報復攻撃をかわすこと。しかしこの艦長は違う。正々堂々と(?)駆逐艦に喧嘩を売ってのける。魚雷も船腹に食らわすのではなく、正面からぶち込むこの男意気(爆)。見事にこの戦法で日本の駆逐艦を葬ったリチャードソン、艦内からは賞賛の声が起こり始める。

しかし、リチャードソンの本当の目的は自分の自尊心をえらく傷つけた駆逐艦アキカゼへの報復のみ。先に葬った駆逐艦など、対アキカゼへの予行演習に過ぎなかった。ただ一人、ブレッドソーだけは艦長の思惑を見抜いていた。

やがて魔の第7海域へ着いたナーカ号。演習通りアキカゼに狙いを絞るが、魚雷の故障のために失敗、当然の如く激しい爆雷攻撃がナーカを襲う。死者を出すほどの惨事になり、彼自身も重傷を負いながらもあくまでアキカゼ撃破に執念を燃やすリチャードソン。遂にブレッドソーはリチャードソンの指揮権剥奪の決心をする。

艦の修理を終え、真珠湾に帰還しようとした矢先、自艦の沈没の偽装工作が功を発し、警戒が浅いアキカゼへの攻撃の絶好期となる。ブレッドソーも元々は優秀な士官、やはり軍人として血が騒ぐ(笑)。ここで初めてリチャードソンとブレッドソーの考えは一致することになる。

ラストの海戦、見事な展開です。一難去ってまた一難、すぐ近くで互いの存在を掴もうとする日米潜水艦の様子、そしてあっと驚くような痛快極まる大逆転劇!そしてラストの切なさ溢れる感動!

監督は何度か作品をレビューさせていただいている名匠ロバート・ワイズ。覇気のない日本兵の妙な日本語など、お約束通りの失笑シーンもありますが、全体的に見ればやはりこの人の映画は面白い!

ゲーブルとランカスターがとにかくカッコいい!二人の思惑が交錯する骨太の人間ドラマでもあるこの作品、潜水艦映画ファンなら必ず押さえなくてはならない名作です。


さて潜水艦祭り、予定通り今日までに9本の作品をレビューしてきました。残る1本は当然『あの映画』です!

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