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冬の光 (1962)

WINTER LIGHT/NATTVARDSGASTERNA

監督
イングマール・ベルイマン
  • みたいムービー 20
  • みたログ 90

4.29 / 評価:41件

聖餐用のパンにはマークが入っているんだ!

  • bakeneko さん
  • 2009年9月10日 18時03分
  • 閲覧数 988
  • 役立ち度 9
    • 総合評価
    • ★★★★★

緻密に計算された演出と芸術的なまでの映像美、そして名優の押さえた演技のアンサンブルによって、“この世界”を虚飾無く見せてくれる“映画が到達した一つの終末点”であります。

ベルイマンの“神の不在三部作”とされている作品群(相互に繋がりは全く有りません、どれも独立で楽しめ(?)ます)の一つで、
「鏡の中にある如く」が、ドラマチックなシチュエーション性を、
「沈黙」が、怪異な抽象性を、
使って劇的な漆黒のダイナミズムを感じさせてくれるのに対して、
本作は“平易で日常的な表現と設定”から飛躍せずに、それでも“この現実世界の暗黒面”を明瞭に示してくれます(宗教的な観念が“物語の鍵”となっていますが、私達日本人は寧ろ“安定した価値観”の観念と置き換えて受け取れば、容易に理解出来ると思います)。

つまり、本作は、兎に角凄まじい創造力で、“私たちが目を反らしている問題”を再認識させてくれるのであります。
静謐な情景を積み重ねながら、“茫漠とした現実”を痛感させてくれる絵創り、
簡素な生活的セリフによって示される、“男女&人間関係の不毛”
状況に依って変化する、“思考と価値観”
そして、怜悧で仮借の無い人間性の解剖と観察による、“物語上の仕掛け”
等の匙加減は、緻密なパズルを思わせるほどの絶妙さで“映画”を形創っています。特に、スヴェン・ニクヴィストの映像は、芸術作品ともいえる“美しさと厳しさ”で日常世界を捉えています。

“映画”が“非日常的幻想による現実からの解放”の快感装置である面から考えると、“正反対のベクトルを持った作品”ですが、その明瞭な論理性と神懸かり的な鮮やかさの演出、そして透かされる様な映像群によって、別種類の感銘&覚醒感覚を受けることの出来る作品であります(たとえそこに示されるものが“深刻な現実”であっても)

知性派&映像派の方に体力と知力に余裕のあるときにお薦めの、“別次元の大傑作映画”であります(あと、映画創りを勉強されている方には、演出&編集手法はとても勉強になると思いますよ)。

詳細評価

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