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ブラザー・サン シスター・ムーン (1972)

BROTHER SUN, SISTER MOON

監督
フランコ・ゼフィレッリ
  • みたいムービー 70
  • みたログ 220

4.09 / 評価:99件

宗教を超越して“ひとに必要なもの”とは?

  • bakeneko さん
  • 2012年2月10日 14時19分
  • 閲覧数 1508
  • 役立ち度 12
    • 総合評価
    • ★★★★★

イタリアの守護聖人であり、サンフランシスコの地名の元にもなった:アッシジのフランチェスコ(聖フランシスコ)の青春を瑞々しい感覚で描いた作品で、(宗教家偉人伝ではなくて)停滞した既存社会に新風を吹き込む若者の純粋な真心を爽やかに謳いあげた傑作であります。

え~、最近の公開映画状況みたいに“刺激的な作品の目白押し“の脂っこさに辟易して来ると、心洗われる清々しい映画が観たくなります。
本作は、ベトナム戦争が泥沼化していた冷戦下に創られた映画で、“人間の生き方を根本から素直に見つめよう”と言う、当時の良識派の愚直なまでの真摯な想いが結晶化した清涼な作品であります。
「ロミオとジュリエット」と並ぶフランコ・ゼフィレッリの会心作で、後作で“感情過多&大仕掛け”になっていく前の、素直で押さえた演出が“自然体の若者の純粋さ”を心地良く見せてくれます。
若者の青春の蹉跌→自己の啓発→仲間の集積→活動の躍進を一直線に見せながら、周囲の人々の葛藤と苦悩も見逃していない作劇は緻密で、綺麗事だけでは済まない状況や世知に長けた狡猾な人々の視点も忘れずに語っています。
(ゼフィレッリが助監督として付いていた)ヴィスコンティ組が大挙して参加している作品で、脚本のスーゾ・チェッキ・ダミーコ、ケネス・ロス、リナ・ウェルトミューラーのリアリズムを重視した人間描写に加えて、撮影のエンニオ・グァルニエリが心に染み透るような映像美で魅せてくれます。
そして、12世紀後半のイタリアの風俗も忠実に再現された作品ですが、同時に音楽にフォーク・ミュージックのドノバンを起用する等、1970年代の“ラブ&ピース”や“ヒッピームーブメント”の精神も意識して採り入れています(このあたりは、「ジーザス・クライスト・スーパースター」等の影響も感じさせます)。
イタリア中心の製作陣と対照的に俳優陣は英国役者が中心で、主演のグレアム・フォークナー、ヒロインのジュディ・バウカーを始めとして、アレック・ギネス、ケネス・グレアム、ピーター・ファースらがイタリア勢であるヴァレンティナ・コルテーゼやアドルフォ・チェリと違和感なく溶け込んでいます。特にジュディ・バウカー(17歳♡)の“純真無垢を絵に描いた様な美しさ”は透明な清純さを匂わせていて、本映画の示す“澄みきった精神性”を神々しく体現しているのであります。

クリスチャンでなくても全く観賞に支障のない―純粋な若者の精神と青春の彷徨に心洗われる作品であり、”花の咲き誇る野原や、紺碧の青空、澄み切った海、純粋な瞳があれば世界は十分に満ち足りている”ということを思い出させてくれる映画で、劇場の大画面での観賞がお薦めであります。


ねたばれ?
聖フランチェスコを描いた作品には他にも、ロッセリーニ(&フェリーニ)の「神の道化師、フランチェスコ」、マイケル・カーチスの「剣と十字架」、リリアーナ・カヴァーニの「フランチェスコ」(フランチェスコには膨張前のミッキー・ローク!)があります。

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