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いまを生きる (1989)

DEAD POETS SOCIETY

監督
ピーター・ウィアー
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4.13 / 評価:1489件

二項対立の図式と、話の流れはちょっと…

  • chanrinsham さん
  • 2020年11月7日 20時40分
  • 閲覧数 534
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

1959年バーモント州。キリスト教的保守主義と真っ向から対立する自由詩人のWalt Whitman や自然主義者のヘンリー・ソローに感化された教師が、全寮制の名門校に着任する。

机の上に土足で上がって、高みに立って違うものの見方をさせたり、詩の一節を読んでからボールを思いきり蹴らせたり、中庭を思い思いの姿勢で歩いて自分らしさを出させたり(I want you to find your own walk right now.)、一風変わった授業をして生徒たちの心をつかんでいく。

詩なんて作れません、とお手上げだった生徒から、Walt Whitman のYAWP!という雄たけびから始めて、自分の中で自然発生的に出る詩を引き出すところが気に入った(そしてこの彼は、先生が学校を去る時にも、真っ先に机の上に立って送り出すのだった)。

演劇に情熱を燃やし、「真夏の夜の夢」の主人公役をゲットしたニールが、演劇などけしからん、ちゃんと勉強しろ、と頭ごなしに言いつける父親と対立する。

規律正しい学校生活と大学合格か、自由なものの考え方か、という昔ながらの二分法。レビューの中にも、「知識vs自由」の二項対立に押し込めるものがあるけど、教育ってそんなに単純なものではないのでは。

何が起こっても、心の底から温かいまなざしを持ち続けるキーティング先生。教師というスケープゴートを作って、事態を収めようとする学校。

大人から見れば、たった数年我慢すれば、大学に行ったり社会に出てから好きなことをいくらでもできるのに、何も自殺なんて…と思ってしまう。でも若い時は、それですべてを否定された気持ちになってしまうものだ。

邦題の「いまを生きる」はとても良い。キーティング先生のメッセージ、Carpe diem = Seize the day を訳したもの。でもこれって、大人が大人に対して言うのはいいけど、大人にとってさえ難しい。過去を後悔したり、将来を心配したり…。

ましてや、将来に向けての人格形成期にもある子どもたちには、「今を生きつつ、でも自分の好きではないこともやってね。」と言うしかないのだろうか。この日本語タイトルだからこそ、いまを生きるために亡くなってしまったという強烈な皮肉になっている。

誰かが犠牲にならないとものごとが先に進まないという流れは、好きではない。それこそ、キーティング先生が打ち破ろうとしていたキリスト教的な世界観ではないか。しかし他の生徒たちは、悲劇を乗り越えて成長していくだろうと思わせるので、後味は意外に悪くない。

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物語
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