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ブルーベルベット

ブルーベルベット

BLUE VELVET

121

hik********

2.0

いざ、青い悪夢へ誘わん。

平和な田舎町の地面には、蠢く虫、やがて発見される「耳」、それに群がる蟻。 こんな異常な世界を、さらりと表現できるリンチ監督は流石としか言いようがない。 独特なカメラアングルと、全体的に薄暗い明度。 主人公がドロシーの部屋へ向かう途中に階段に昇るシーンは、まるでダーティーな闇の世界へ誘われていくかのような、恐ろしさと幻想さを兼ね備えており、個人的にお気に入りのシーンである。 全体的に性倒錯、暴力、官能、恐怖を、まるで観客に蝕むように表現されており、 とどめにデニス・ホッパーの強烈な怪演がお見舞いされ、凄まじいインパクトを残す。 ここまで肯定的な意見を述べておいてなんだが、個人的には総評すると不満である。 登場人物に全く好感が持てず、主人公がただの間男で行動に一貫性が感じられず感情移入しにくい、更にヒロイン(ダーン)も何故かそんな奴に惹かれるという始末。 そもそも他のリンチ作品に比べると、良く言えばマイルド、率直に言うと物足りないという印象だった。 これでパンチ不足なのか?という突っ込みが飛んできそうだが、「イレイザーヘッド」や「マルホランド・ドライブ」に比べてしまうと、やはり物たりなさは否めないのだ。

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