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フレンチ・コネクション

フレンチ・コネクション

THE FRENCH CONNECTION

105

ryo********

5.0

獰猛さがハンパない本能刑事!

久しぶりに鑑賞しましたけど最高!表現が自由だから超気持ちいいですね。あー面白い!オープニングの狂ってるトランペットからのめり込んだらもう最後まで、本能をエンジンとして、獰猛さをガソリンとしてドカドカ走るポパイ(ドイル)の虜! サンタクロースポパイが走る走る! 麻薬売人なんか人間扱いしてやんない、ボッコボコに殴る蹴る殴る蹴る!バディのクラウディも殴る蹴る殴る蹴る!人間扱いしてないお前らも人間じゃないから! 差別的発言の多いポパイだけど、彼って無差別なんですよね。誰に対しても差別的(笑)あまり大きな声で言うとアレな時代ですけど、正直さを清々しく感じます。もちろんあんな風に生きるなんて出来ませんけど。 正義漢でもなく、使命感など持ち合わせてなく、酒と女と捜査が人生。手錠プレイも辞さないぜ。あの一瞬だけ後ろ姿を見せた女性、かなりのやり手だな… 本作を好きになれるかどうかはポイントが2つ。 1つ目は、そんな下卑で好色家なポパイ(ジーン・ハックマン)を好きになれるかどうか。僕はアンチヒーローとして好きです。 追っていたリンカーンに群がってきた黒人たちを犯人と間違えたり(ただの強盗だった)、失敗ばかりのポパイが面白い! 2つ目は、ウィリアム・フリードキンの狂気じみた演出に身を任せることができるかどうか。 ドキュメンタリー的でもある全編の臨場感、やり過ぎの事故現場、非常識な暴走…! 中でも高架鉄道を追って140キロで逆走するカーアクションはいつまでも語り草で、ブライアン・デ・パルマは「あれを超えるカーアクションなんか撮れるはずがない」と公言してます。 追っていた殺し屋ニコリが電車に乗る、一般人の車を奪って電車を追う、電車運転士を脅して駅を通過させるニコリ、ブッ飛ばすポパイ、怪しいと感じた添乗警官がヤラレる、ブッ飛ばすポパイ、乗客が起こすパニック、ブッ飛ばすポパイ、気絶する運転士、ブッ飛ばすポパイ、乗客を撃つニコリ、逃げ惑う乗客、ベビーカーを轢きかけるポパイ、ゴミバケツの山を蹴散らすポパイ、前を行く電車に激突するニコリ電車、電車を降りて走るニコリ、ドカドカ走るポパイ、ニコリを仕留めるポパイ、疲労困憊で崩れ落ちるポパイ、暑苦しいわ! でも、この2つのポイントがダメなあなたでも、ホテル前から始まり地下鉄へ続いていくポパイの尾行シーンは絶対楽しめるはず! ってこれ誰に薦めてるんだろう?まあいいや、シャルニエの狡猾さに悔しがるポパイが超楽しい!シャルニエよく逃げ果せたぞ! フリードキンって、上述のカーアクションでは運転してるジーン・ハックマンへ後部座席から「もっとアクセル踏め馬鹿野郎!」って脅し続けたり、「エクソシスト」では緊張感高めるために撮影現場に銃かライフルかを持ち込んだりするめちゃくちゃな人間ですけど、バシッと決まった絵を作るの上手いですよね。あ、マルセイユとブルックリンとで起きているそれぞれのシークエンスが展開していくのは、「エクソシスト」での北イラクとワシントンのそれに似てますよね。 味方である役人を誤射したポパイが迎えるラストは、取り方がいくつかあってこれまた面白い! 1発の銃声が聞こえて映画は唐突に終わる。 シャルニエを射殺した。 撃ったけどシャルニエを取り逃した。 前者の場合、その後に出る「シャルニエは逃亡してフランスで生存の模様」のテロップと辻褄が合わない。 実際にはポパイはシャルニエを射殺していて、テロップは警察の公式発表である、なんていう説があるらしい。 でも、1971年はアメリカンニューシネマ全盛期だ。この作品を通して観ると、ポパイの勝利はニコリ退治と大量のヘロイン発見のみで、役人を誤射して更にシャルニエを取り逃したポパイは、ダーティで、社会的敗北を喫するいかにもアメリカンニューシネマらしい主人公なのだと考えたい。 PART2でシャルニエが大活躍するのは後から作った話なので、そこから推察するのではなく。

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