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フロウ氏の犯罪 (1936)

MISTER FLOW

監督
ロバート・シオドマク
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3.00 / 評価:1件

あの怪盗を彷彿とさせるフロウ氏

  • rup***** さん
  • 2021年8月23日 23時37分
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

ドイツ人監督ロバート・シオドマク(渡米前なのでロベルト・ジオドマクと書いたほうが良いのかもしれませんね)がフランスで監督した戦前の作品。

ガストン・ルルーが執筆した原作“Mister Flow”については全く知らないので、本作がどれくらい原作を反映したものになっているかは分からないのですが、本作におけるフロウ氏は、モーリス・ルブランが書いた最初のルパン短編集所収の『獄中のアルセーヌ・ルパン』のルパンを思い起こさせるような状況に置かれています。

世界を股にかける大怪盗のフロウ氏を演じているのは、フランスの名優ルイ・ジューヴェ。
准男爵家の使用人デュランという変名を用いていて、主人のネクタイピンを盗んだという微罪でラ・サンテ刑務所に収監されているフロウ氏。
獄中から計画を実行するための片棒を担がせようとして、うだつのあがらない弁護士ローズを罠に掛ける手口にはなかなか洒落っ気が感じられます。

ローズ弁護士を演じているのは、フェルナン・グラヴェ。
「グレート・ワルツ」で主役のヨハン・シュトラウス2世を演じていましたけど、幾分個性のきらめきに欠ける感じがする人。
髭を蓄えて丸眼鏡をかけていると別人のように見えますが、本作でもフロウ氏がカモとして目を付けるのもさもありなんと思えるような平々凡々たる雰囲気がよく出ています。

そんなローズ弁護士が准男爵夫人エレナと出会ってから2人の仲が急接近。

エレナを演じているのは、エドウィジュ・フィエール。
「双頭の鷲」や「青い麦」の頃の中年女性の魅力とは異なるコケティッシュな若さ溢れる演技で、チラッと脚線美を披露するシーンなんかもあり、場面がパッと華やぐ魅力があります。
ちょっと峰不二子的な匂いも感じられる役柄ですね。

エレナがローズと一緒に『怪盗ルパンごっこ』と称して自分の屋敷に泥棒に入る場面を始め、2人のコミカルなやり取りが続くなか、このエレナという女性の正体が実は…といった辺りで、フロウ氏の巧みが明らかになるのですが、エレナがローズと恋に落ちたことにより、フロウ氏の目論みに誤算が生じることとなり…。

終盤の法廷場面では、ローズ弁護士との2人だけの駆け引きを含め、『アルセーヌ・ルパンの脱獄』のルパンを彷彿とさせるような、小心者で取るに足らない小悪党のデュランになりきる変幻自在な怪盗フロウ氏を演じるジューヴェの達者な演技が観どころです。

さらに、着物を着た日本人の使用人(牧嗣人)が登場する辺りのジャパネスク趣味も興味深いところで、彼が日本語で琵琶の弾き語りを披露しているシーンなんかはちょっと不思議な感覚になりました。

こうやっていくつか場面を挙げてみると結構面白く感じられるのですが、いかんせん戦前のフランス映画のゆるいタッチで描かれていて、糠に釘といった感じの締まりのなさと、全体的にかなり間延びした印象を受けるので、シオドマク監督作品と聞いて期待を膨らませて観ると当てが外れるかもしれません。

〈フレンチノワールを10本収録しているパブリックドメインのDVDで鑑賞しました〉

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