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風櫃(フンクイ)の少年 (1983)

風櫃來的人/ALL THE YOUTHFUL DAYS/THE BOYS FROM FENGKUEI

監督
ホウ・シャオシェン
  • みたいムービー 14
  • みたログ 60

4.04 / 評価:27件

“サーフィンせず薄暗い路地で体育座り“的

  • da5******** さん
  • 2017年6月14日 19時53分
  • 閲覧数 372
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

(南国気質と濃厚文化でよそ者を常にわくわくさせる沖縄、よりもさらに南に位置する暑い暑い)台湾の、「離島の漁村」から始まる物語。
だが、純朴さ・陽気さ・呑気さ・イタズラっぽさ・健全な勇壮さはない。爽やかさまでも期待してしまって観た私は、青春グラフィティ色の唯一あった最初の公衆便所シーンが終わってしばらくすると、「これはあくまでも、重苦しさが跋扈する台湾映画なのだ」と気持ちを切り替えねばならなかった。

重さに加えての、都会的な寒々しさと小汚さ、それに老けた“空回り”感の連なりは、むしろ太陽光不足の北欧オスロかどこかの、恋愛下手だった病弱な某有名画家に通じる。こちらは欧州でなく台湾の制作物だから、背伸び分以外は当然洗練なんかされていない。半“都会人“たちが、あくまでもダサく動き続けるだけだ。
そう、全編にわたって全人物が(相関図ふくめて)かっこ悪くてメランコリック。女たちはお飾り以外の何者でもなかった。が、不細工というわけでもない主役の少年の、くたびれた若さは、脚本の要請にまあまあ応えていた。

しかし、せっかく揃えた映像を全然ふさわしくない交響管弦楽で支えようというごまかしは、誰のアイデアだったのだろう。まるで、少年たちのそこそこの好演を映画が信用しきれていなかったかのようだ。
「南の海辺のエンドレスサマー青春群像にうっかり期待した(一部の)観客を当然のごとく裏切り、繊細でダサくて傷つきやすいばかりのメランコリーを描きぬこうとした」半ば地道な日陰物語を、妙なるリアリティーで包み込む音楽といえば、世界中どう探してもブライアン・ウィルソン以外ない。「ザ・ビーチボーイズからカリフォルニアーンな要素を全部イヤな顔して取っ払ってしまった後の、玄人受けしかしない病的で崇高な輝き」として残った彼のソロ作(『ペットサウンズ』含む!)の数曲で彩ればいいと、なぜ制作者たちは気づかなかったのだろうか。試しに、カセットテープをわめき売りするラスト付近に名曲「Wouldn’t It Be Nice」をけたたましく流してみればよい。この凡作が見違えるほど垢抜けするはずだ。そうなれば泣く客もいるかもしれない。

けなすレビューに結局なったのは、所詮この映画全体が非力だからだ。その象徴は、鶏をシメるシーン。「やるぞやるぞ」で引っ張るなら、ちゃんと喉を掻っ切るか首をへし折るところまで映せばよい。臆病な監督なのだ。

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