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ヘアー (1979)

HAIR

監督
ミロス・フォアマン
  • みたいムービー 21
  • みたログ 141

3.69 / 評価:42件

異色の反戦ミュージカル

  • 一人旅 さん
  • 2016年1月28日 0時10分
  • 閲覧数 1090
  • 役立ち度 8
    • 総合評価
    • ★★★★★

TSUTAYA発掘良品よりレンタル。
ミロス・フォアマン監督作。

ベトナム戦争への徴兵が決まった若者・クロードとニューヨークのヒッピーたちの交流を描いたミュージカルコメディ。
突き抜けた明るさの歌とダンスで反戦を訴えた異色の反戦映画。ダンスシークエンスもバラエティに富んでいて面白い。富裕層のパーティから追い出されそうになったヒッピーが愛をテーマに独唱するシーンは爽快だし、クロードとクロードが想いを寄せる娘シーラの結婚式では人が空中浮遊したりと幻想的で少しフェリーニっぽさを感じる。
ブラックユーモアたっぷりに描かれるヒッピーカルチャーも印象的だ。“LSD”と書かれたキャップを被った男が、聖体拝領みたいに仲間のヒッピーにLSDを口に含ませていくシーンは笑える。性に対する姿勢もヒッピーらしく自由奔放。フリーセックスで妊娠したヒッピー女も罪悪感なんか一切感じず、頭の中は“ハッピー”でいっぱいだ。娘が突然パンツ一丁になって真夜中の池で泳ぎ出す光景なんかもまさにフリーダム。定職にも就かず、ただただ毎日を自由に楽しく生きたいと願うヒッピーの生態が映し出されるのだ。何だか、反戦運動を自分たちの怠惰な生き方を都合良く正当化するための手段にしているような気もするが、それでも、現実にアメリカの若者が戦地に送られて犬死している事実自体は揺るぎようがない。
ホワイトハウス前に集う無数の若者の映像は圧巻。至る所にヒッピーのトレードマークが掲げられ、平和を求めて叫び続ける。アメリカの若者のエネルギーに圧倒されるシーンだ。
“俺たちの生き方を変えたければ戦争を止めろ!”ヒッピーたちはそう訴えているように思えるのだ。
そして、不運が重なって強制的にベトナム行きとなったヒッピーの姿は、戦争に巻き込まれるアメリカの若者を象徴している。今でこそアメリカは志願兵制だが、ベトナム戦争当時は徴兵制だった。死にたくないのに、国の命令ひとつで戦地に行かなければならないという現実は、自由の国アメリカの若者を憤怒させる恐ろしい不自由だったのではないだろうか。ヒッピーの生き方が極端に自由を求めたスタイルになった要因は、国に自由を奪われたことに対するある種のカウンターだ。いつ死んでもおかしくないという恐怖心も、若い時期に自由をとことん享受しようとする動きに若者を駆り立てたのだと思う。

詳細評価

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