厭らしい奴らの55日。いやらしいエンタメ。
- 百兵映 さん
- 2016年7月15日 13時45分
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アメリカ人などがみれば北京での『55日』に過ぎないだろうけど、中国人はじめアジアの国々からみればとんでもない話だ。眠れる獅子を喰いたい放題に喰いまくった侵略の歴史だ。
こういう歴史を、アメリカのエンタメ映画の素材にしただけの話。時代考証も随分いい加減で、キャスティングもデタラメ。ただただスケールでっかくスペクタクルにしたいだけの話。アジア軽視か蔑視か。アジア人の目には不快感しかない。
この“事件”にはちゃっかり後進の日本まで列強の一員として悪乗りしているのは、今となっては見たくない話。実際にはこの事件で最も“活躍”したのが日本軍だったとか。その時の日本軍将校柴五郎が後の日英同盟の基礎作りをしたという(映画には紹介されない)。そういうところまで時代考証を確かにやって、テーマに沿って適切な編集をして、ドラマ仕立てにしていただきたい。
何もかもアメリカ好みのエンタメ映画の素材にするのは、そのうち反感を招き、反撃を食いかねない。そうだろう、義和団事件も元はといえば列強の傍若無人ぶりへの反撃(攘夷運動)なのだから。
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