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ベニイ・グッドマン物語

ベニイ・グッドマン物語

THE BENNY GOODMAN STORY

117

みゅう

4.0

ネタバレスウィング・ジャズに拍手

ベニイ・グッドマンの音楽って凄い! ビッグバンドのスウィング・ジャズってスピルバーグの「1941」のダンスシーンなど思い出すだけでワクワク・ドキドキ、元気が出てきます。 抑圧感を吹き飛ばすように、激しく踊りたい若者たちに支持されました。 この早くて激しいダンス・ミュージックに接してしまうと、現代のロックって何とチンタラしていてまどろっこしいのでしょう。プレスリーやビートルズのフレッシュな感じ、はじけるような感じはもうなくなりました。40~50年も経てば当り前ですが。やはり理屈抜きで 早く 激しく パアーっと明るいダンス・ミュージック、そろそろ復活してもらいたいものです。 そのスウィング・ジャズの中にあってキング・オブ・スウィングの名を欲しいままにしたのがベニイ・グッドマン楽団。集団の中で派手に踊るときにぴったり。ノスタルジックに甘く踊るならトロンボーンの演奏がけだるいトミー・ドーシー楽団、というのが私の好みです。 映画では中盤、ベニイが初めて自分のバンドを組んで長期巡業に出ますが、ずーっと日の目をみず、経済的にもお先真っ暗なのです。 巡業も終わりの頃、ロス・アンジェルスのパロマー舞踏場で当初の契約と違い一晩だけの興行という侮辱的な扱い受けるところから盛り上がってきます。 憤慨しますが、仕方なく舞台に出て、腹立ちまぎれに「今夜は客の好みを無視して僕達のスタイルで演奏する。ワン・オクロック・ジャンプ で始めよう」とベニイ。それが演奏が始まるとフロアに徐々に踊るカップルが増えてきます。これがぞくぞくしてくるんです。何かいつもと違う。 フロアがいっぱいになると、今度は踊るのをやめて、みんな演奏に聞き入るようになってきます、誰もが会場の不思議な変化に気づきます。 ビートがますます効いてきて、即興的なフレーズが場を盛り上げていき、曲が終わると異様な拍手が湧き起こります。 何にせよ、大手の宣伝やマスコミによらず、才能に気づくのが一般庶民で、熱い人気が地元から生まれてくるっていうのは感動的ですね。ビートルズも最初はリバプールでこんな感じだったのでしょうね。 この映画、ビッグバンドだけでなくスウィング・ピアノのテディ・ウィルソンやビブラフォンのライオネル・ハンプトンなど本人が出てきて演奏する姿を見せてくれるのは本当に嬉しいことです。オールド・ファッションのジャズファンにはたまりません。ストーリーもハートフル、私は「グレンミラー物語」より好きな作品です。

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