あらすじ・解説
1911年、イタリアのベニス。静養に訪れた作曲家のアシェンバッハ(ダーク・ボガード)は、宿泊先のホテルで見掛けた少年タジオ(ビョルン・アンドレセン)に一目で心を奪われる。タジオへの思いが抑えられないアシェンバッハだったが、折しもベニスではコレラがまん延し始め……。
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作品レビュー(184件)
- ohk********
4.0点
BSで放送したので鑑賞。 前に見たときは噂の美少年タッジオの美しさにとらわれていくバッハを哀れにしか思わなかったが 自分も年を重ねた今見るとまえとはちがう感じがした。 美しい妻、可愛い娘、裕福で満ち足りた日々。 音楽家としても成功していたバッハは、年を重ね、娘は死に 音楽家としても批判されているようで疲れ果て静養のために訪れた地で 出会った少年に惹かれていく。 文章にするとただそれだけだが、俳優の演技がすごい。 ほとんどセリフもなく風景と音楽に彩られて進んでいくのだが俳優の演技だけで細やかな感情が伝わってくる。 今どきの結論の早いVFXを使った映画を見慣れている若い人にはイライラするような映画なのだろうけれど 衣装、当時の風俗、貴族の様式美等、今では実現不可能な美術も含めて 本当にすごい映画だと思う。 ビスコンテイは失われゆくこうした貴族の退廃的な生活、哀愁を描く映画を何作つくっているが 一見無駄なような長々とした場面もすべて計算されているのだろうなと思わされる。 「夏の嵐」「山猫」を見たことあるが、ある意味贅沢な映画作りができた時代であったのだろう。 美術もかなり作りこんでいるし、今では再現不能な世界。 第一、当時の貴族社会のことなどもうわかる人もいないだろうし そう思ってみると無言の場面も美術を見ているだけでも面白い。 こんな映画はもう作れないだろうし、作ろうと思う人もいないだろうな。 裕福でうまく言っていた人生も終わりが近づき 自分の思い通りにならないことにいら立ち 退廃を嫌ってきたのに、ここで出会った美しい少年に惹かれていく自分が許せないのか一度はべニスを離れようとするが ほんの些細なことで戻ることになった時の嬉しそうな顔…。 コレラが蔓延しようと、自分の出会った「美」に執着して 死んでいくその姿はなかなか醜悪だが 幸せの中で死んでいったのだからハッピーエンド?なのだろう。 人生の終わりを感じたときに自分はどうけりをつけるのかは考えさせられた。 タッジオを演じたビヨルン・アンデルセンはやっぱりいつみても美しかった。
- nat
5.0点
もう既に語り尽くされている名作です。 何度観ても、ダーク・ボガード演じるアシェンバッハの、著名な教授らしからぬ 常にきょろきょろと視線を泳がせる落ち着きのなさ、 いかにも心身共に余裕まるでなしといった様子にこちらまで息苦しくなり、全編通じての不安感がじわじわ醸し出されていきます。 それが少年タジオの神々しいまでの美しさをなお一層際立たせ、ラストの幻(ある意味カタルシス)につながっていくのが素晴らしいです。
- tatsu8
1.0点
好きな人もいるのでしょう、。 自分には合わなかった。 過大評価されている気がします。
- the********
3.0点
このレビューにはネタバレが含まれています。 - レオン
5.0点
若さゆえの危うさが美を生み出すのか、自分が若いときにはそんなことにはまったく気づきもしない。人間は悲しい生き物だと思う、内面が充実して、思慮深く、聡明になった頃に外見は衰えて、気力も失われていく。美には何ものも太刀打ちできないということなのかな。 世界一の美少年タッジオと「愛の嵐」のダークボガード、美意識の塊のビスコンティがダックを組めば駄作になるわけがない。マーラーの交響曲が逸品。何度みても色褪せない永遠の名作。
スタッフ・キャスト
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受賞歴
カンヌ国際映画祭第24回