絶叫ヒロインはリンダ・ブレア
- 一人旅 さん
- 2019年10月20日 16時32分
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トム・デ・シモーネ監督作。
古い屋敷で一夜を過ごすことになった大学生達を襲う恐怖を描いたホラー。
ジョン・カーペンター監督によるホラー映画の金字塔『ハロウィン』(78)の製作者:アーウィン・ヤブランスが、前年に全米公開され大ヒットした『13日の金曜日』(80)に続けと企画した80年代青春ホラーの佳作で、『エクソシスト』(73)で悪魔に憑りつかれた少女を弱冠14才で怪演したリンダ・ブレアが殺人鬼から逃げ惑うヒロインを絶叫混じりに力演しています。
大学の上級生からの命令で、12年前に一家心中事件が起こった古い屋敷で一夜を明かさなければならなくなった4人の新入生(&意地悪な上級生3人)が、屋敷に潜む猟奇的殺人鬼に次々襲われては命を落としていく様子を、舞台の大半を屋敷とその敷地周辺に絞って見せていく怪物ホラーで、青春真っ盛りの若い男女が外界から隔絶した場所で恐怖のどん底に突き落とされる―というオーソドックスな作劇がノスタルジックな味わいの恐怖映画となっています。
屋敷に潜む神出鬼没な殺人鬼(化け物)による無慈悲な殺戮シーンが見せ場で、80年代らしい少しマイルドなスプラッター描写と幽霊屋敷風ゴシックホラーが融合しています。頭部切断、心臓串刺しといった観客の視覚を直接刺激する血みどろ描写のみならず、半透明の幽霊が部屋に出現するシーンやカーペットの下から物体が徐々に浮かび上がってくるシーン等、静的な怪奇演出でもしっかり恐がらせてくれますし、なかなか全貌を見せない殺人鬼の神出鬼没性とフランケンシュタインの怪物をモチーフとした醜悪な造形が観客の不安と恐怖を煽っています。
今から約40年前に作られた大変古い映画なので本当の恐怖というものは味わえないですが、80年代ホラーブームの一翼を担った作品として意義の大きい青春ホラーであります。
詳細評価
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- パニック
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