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ヘンリー&ジューン/私が愛した男と女

kak********

3.0

性愛小説作家アナイス・ニンの日記を原作に

「北回帰線」の作家ヘンリー・ミラーが無名時代に、愛人関係にあった性愛小説作家アナイス・ニンとの関係を軸に、エロチシズムの世界に興味を持った主人公が日記を書きながら男と女の本能に従った自然な愛に目覚める有様が描かれて行く。共にパートナーが居ながら惹かれ合う姿に”不倫”と言う言葉は当てはまらないほど芸術的な描写が美しいのはなぜだろうか? その主人公アナシス・ニンを演じるのはポルトガル出身のマリア・デ・メディロス。そしてヘンリー・ミラーのパートナー役は「キル・ビル」シリーズで知られるユマ・サーマン。二人は後に「パルプ・フィクション」で共演することになる。そして、クリント・イーストウッド主演「アルカトラズからの脱出」に出演のフレッド・ウォードと、ゲイリー・オールドマン主演「ドラキュラ」に出演のリチャード・E・グラントが男性陣を演じる。他では「ユージュアル・サスペクツ」以前のケヴィン・スペイシーの顔も見られる。 物語は、官能的ではあるがポルノ映画とは違い生活感がにじみ出ている。人間として生きる中で必要なエネルギー源としての役割と本能的な欲求が入り交じり、罪悪感が薄い内容になっているのが不思議である。素直に寄り添うと言うことは法律や常識に縛られない本来の姿なのかもしれない。「北回帰線」もヘンリー・ミラーの処女作であり、自伝的小説で性表現が問題になった経緯がある。二人の実在する作家の赤裸々な告白を見ているような映像は恥ずかしさを通り越して、人間本来の姿が浮き彫りになっている気がしてならない。

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