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ヘンリィ五世 (1945)

HENRY V/The Chronicle History of King Henry the Fift with His Battell Fought at Agincourt in France

監督
ローレンス・オリヴィエ
  • みたいムービー 8
  • みたログ 31

3.80 / 評価:5件

複雑さを演出の巧みさでカバー

  • gar***** さん
  • 2009年2月20日 13時16分
  • 閲覧数 336
  • 役立ち度 11
    • 総合評価
    • ★★★★★

15世紀のイギリス国王ヘンリー5世の英雄的な姿を描いた、シェークスピアの史劇をローレンス・オリヴィエが監督・出演・制作で挑んだ歴史映画。
この『ヘンリー5世』に加えて、ヘンリー5世の父が主役の『ヘンリー4世』、ヘンリーの息子の悲劇を描いた『ヘンリー6世』と、シェークスピアは祖父・息子・孫の三大の国王を主役に史劇を書いています。この映画はそのうちの息子ヘンリー5世の活躍をフランスとの百年戦争を軸に描いています。
まず素晴らしいのは、登場人物の処理。シェークスピアの史劇は登場人物が多く、それぞれの人物の関係が複雑…という映像化する上での難しさがあります。しかし、そんな長尺な舞台作品を映画に合わせて上手く作り上げています。オープニングで劇場のセットを写すことでこれが、舞台から映画に入る…という転換を上手くしているのもよく考えてあるなと思います。そして、一番素晴らしいのはテクニカラーの映像美。この映画のクライマックスである、1415年のアジンコートの戦い(フランスではアジャンクールという)は、使われる音楽の巧みさもあって、ゴージャスな映像に仕上がっています。それでいて戦場の緊張感も加えていて見事でした。
そんな映画を一人で引っ張っていると言ってよいのが、ローレンス・オリヴィエ。勇猛果敢な武人としても見事ですが、私が好きなのはラスト近く。アジンコートの戦いで勝利を収め、ルネ・アシャーソン扮するフランスのキャサリン王女と結婚するために、フランス宮廷にやって来るシーン。戦場で過ごすことが多かった王が、初めて女性に心を惹かれて恋に落ちるのですが、その時の演技の繊細さが素晴らしいです。シェークスピアの劇はどうしても現在の私たちには、なじみにくいセリフの固さや大仰さがありますが、それをあまり感じさせない気持ちのこもった演技でした。可愛らしいキャサリンの王女と並んで、印象的なシーンでした。
複雑なシェークスピアの史劇を、演出の巧みさで見事に映像化した歴史映画。ローレンス・オリヴィエの卓越した演技力も魅力です。
<その後のヘンリー5世とキャサリン王女>
映画では、ヘンリー5世は可愛いキャサリン王女をお妃に迎え、またフランスからたくさんの領土を得て栄光の中映画は終わります。しかし、イギリスとヘンリーの栄光は長く続きません。結婚からたった2年2か月後の1422年ヘンリー5世は35歳の若さで赤痢のため病死。後には、まだ19歳のキャサリン王妃と生後9か月の息子ヘンリー6世が残されます。見知らぬ異国で、若くして未亡人になった王妃は、寂しさから側近の騎士と恋に落ち、その騎士と秘密裏に再婚してしまいます。この再婚から5人の子どもが生まれますが、やがてその一人は、成長して結婚し、一人の男の子をもうけます。その子どもこそ、バラ戦争の最終勝利者となりチューダー朝を開いたヘンリー7世。そう、あのヘンリー8世のお父さんです。つまり、キャサリン王女はエリザベス1世のひいひいおばあさんに当ります。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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