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砲艦サンパブロ (1966)

THE SAND PEBBLES

監督
ロバート・ワイズ
  • みたいムービー 22
  • みたログ 242

3.94 / 評価:63件

大作なんだけど・・・

  • spr***** さん
  • 2011年5月30日 18時29分
  • 閲覧数 523
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

 NHK・BSで見ました。最初コメディータッチの軽い映画かなと思っていたら、とんでもない大作。名監督に名優2人(リチャード・アッテンボローをお人よしの水夫役に当てるなんて)。大きなセットが組まれ、エキストラをふんだんに使った大シーン。
 にもかかわらず内容は、こんな映画の企画がよく通ったなと思えるくらい地味。中国派遣軍に勤務するアメリカ人水兵に視点を据え、ニュートラルなリアリズムに徹しているので、時代考証や中国人風俗に関してはオリエンタリズム的な誇張はない。しかし中国人の残虐行為や権威主義、女性の人権侵害なども容赦なく描かれていて、いまの中国人が見たら「国辱だ」と眼をトンガラしちゃうんじゃないかと思えるようなシーンも含まれている。
 いったいこれをどう考えればいいのかと思う。最初は長江警備のオンボロ砲艦に配属された機関長がたるんだ士気を立て直す奮戦記かと思ったけれど、途中から妙に米中の文化衝突が前面に出てくる。政治的緊張の狭間で国境を越えた愛も描かれる。でもいろいろ盛り込みすぎてどれも中途半端になってしまっている。
 なんといってもいただけないのは、事なかれ主義を決め込んでいた館長が、最後になって上層部の指令を「聞かなかった」ことにして危険を冒し米人宣教師を救出に行くこと。ストーリーの流れからしてどう考えても不自然。しかも河川封鎖を破って救出に行った宣教師は「何をしに来た」と、まるで身の程知らずの平和主義者のような対応を取り、結局中国軍に殺されてしまう。この映画が作られた1966年という時代を考えると、当時の反戦運動の盛り上がりを背景に、「戦うことの意義」を考えさせる意図があったのだとはわかるが、これでは観客は自分なりの答えを見出せない。半世紀近い時間がたった今でもそれは同じ。
 もしかしたら潤沢な製作資金をいいことに、あれもこれもと盛り込みすぎて、結局破綻してしまったのじゃないかしら。制作費はたくさんあればいいってもんじゃないんだろうね。
 そんなストーリー構成をのぞけば、丁寧に作られたいい映画。アメリカにも良心的な映画を作る人はいるし、その映画に大金を出してくれるスポンサーもいる(いた?)のだということがあらためて感じられる。
 デジタルリマスターの技術進歩でしょう。まるで昨日撮られたかのようなきれいな影像でした。

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