望郷

PEPE-LE-MOKO

94
望郷
3.4

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作品情報上映スケジュールレビュー

作品レビュー(24件)

切ない23.6%かっこいい14.5%ロマンチック14.5%悲しい12.7%絶望的10.9%

  • hcc********

    4.0

    まるで現地でロケしてるようだが...

    まず映画の最初の方で紹介されるカスバの街並みに興味をそそられるが、あれは殆どセットの風景らしい。このセットの出来が秀逸なので、ぺぺが感じている閉塞感がよく伝わってくる。全てをクッキリ露にはしないモノクロ映像であることも、この成功に一躍買っているのだろう。 話の内容としては、敵の多いカスバの中では主人公のペペたちを刺激しないよう上手に立ち回りながら、ペペを逮捕するという刑事の本分は忘れていないスリマンのキャラクターが特に面白い。 最後に、ペペはギャビーとフランスに帰るため、リスクを承知で港に出てきて案の定捕まってしまう。この辺は衝動的に恋愛に突っ走るフランス人らしい行動だと思う。

  • アニカ・ナットクラッカー

    5.0

    迷宮の街にはロマンがある

    今回取り上げるのは、1937年のフランス映画『望郷』。主人公の愛称を示す「ペペ・ル・モコ」の原題でも有名で、フランスの名優ジャン・ギャバンの出世作である。ギャバン主演作の作品レビューを書き込むのは「大いなる幻影」「地下室のメロディー」に続いて3作目だ。日本では1939年に公開され、その年のキネマ旬報ベストテンで外国映画の1位に輝いている。 当時フランスの植民地であったアルジェリアの首都アルジェ。地中海に突き出した斜面にあるカスバという地区を舞台にしている。映画の冒頭にカスバの地図が表示され、入り組んだ路地が絡み合った迷宮のような街であることが分かる。そこでは様々な民族・人種の人たちが暮らし(中国人までいるのは驚いた)、犯罪者にとっても格好の潜伏場所である。 ペペ・ル・モコ(ギャバン)はフランスで銀行強盗を起こしたギャングである。警察の追跡を逃れてアルジェに流れつき、カスバで現地の恋人イネス(リーヌ・ノロ)などに囲まれて、犯罪王として街の顔役になっている。地元警察はペペの存在に気付きながらも、うかつに踏み込めない街の造りが災いして逮捕できない。逆にペペもカスバの外には出られないというわけだ。 そんな状況にしびれを切らしたフランス警察がアルジェに乗り込み、大人数でカスバの街を一斉に手入れするのが最初の見せ場である。ここで街の特徴や主な登場人物の立ち位置が、全部頭に入ってくる。警察が街に入るや雑多な人々は一斉に屋内に逃げ込み、街角に座っている物乞いが杖で音を出して、警報システムのように「警察がここを通るぞ」と合図する。 カスバの街は同じくらいの高さの家が連なり、屋上はアーケードのように繋がっている。ペペは街のボスとして人々から慕われており、どこにいても家の内部から屋上に上って自由に逃れられるのだ。しかもペペの手下が街の上から狙撃してくる。なるほど警察の治安が及ばない街と言われるだけの事はあり、軍隊でも投入しなければ逮捕するのは無理だろう。 この場面を観て思うのは「日本にはカスバのような街があるだろうか?」である。僕は東京の足立区に住んでいるが、袋小路になった酒場通りや、古くからある商店街、あるいは開発から取り残された住宅街を通るたびに、危険な香りとともに妙なワクワク感を感じる。名所旧跡や綺麗なショッピングモールだけでなく、たまにはこういう場所に身を置いてみるのもいい。 ペペと並ぶ重要人物が、アラブ風の帽子をかぶった現地警察のスリマン刑事(リュカ・グリドウ)である。彼はカスバの街を頻繁に出入りし、ペペや地元民と顔見知りで親しく言葉を交わしている。ペペを逮捕するため彼が自ら街から出るように仕向けようと計画を巡らせ、後半では彼の存在感ががぜん増してくる。ラストでイネスと共にペペと同じ画面にいるのも彼である。 面白いのは治安の悪いカスバにもフランスから観光客が訪れることで、僕と同じように迷宮の街に憧れる人が多いのだ。銀行家の妻としてカスバにやって来た美女ギャビー(ミレーユ・バラン)とペペが出会い、パリの思い出という共通点が二人を結びつける。異郷の地で、犯罪者と富豪の女性が身分の違いを超えて心を通わせる・・・映画を観る醍醐味がここにある。 ペペにはピエロ(ジルベール・ジル)という若い手下がいて、20年後ならアラン・ドロンが演じそうなイケメンである。彼は「母親が病気」という手紙を受け取って動揺し、カスバの外に出るがこれは警察の罠だった。偽の手紙で誘い出す手口はフォーサイスの小説「ジャッカルの日」でも使われた。フランス警察の得意とする手法なのかも知れない。 ピエロを嵌めた罠に加担したレジスという男を詰問するシーンは、ペペの犯罪王としての勘の鋭さを示している。しかしピエロの死とギャビーとの出会いは彼の心を揺るがせ、荒れ狂って街の外に出ようとしたり(彼を引き留めるイネスの嘘が悲しい)、逆に陽気になってミュージカルのように歌い出したり、人間として弱い素の部分をさらけ出すようになる。 ジャン・ギャバンは非情な犯罪者としての顔だけでなく、格好いいスーツの着こなしやギャビーとの見事なダンス、前述の歌唱シーンなど様々な魅力を見せてくれる。さすがはフランスを代表する名優として敬愛され続けただけの事はある。歌唱といえば、年配の女性タニア(フレエル)が、レコードで自分の歌を聴きながら泣くシーンを忘れるわけにはいかない。 最後に邦題の『望郷』とは、ペペのパリの街に寄せる思いを指している(ただしパリの描写はセリフだけで、映像は出てこない)。フランスに唾を吐いた犯罪者でも、生まれ故郷のパリへの愛着が存在するのか。この気持ちがギャビーとの出会いで目を覚まし、彼自身を破滅に導く結果になったのが皮肉である。しかし死ぬ前に彼の魂は清らかな場所に行ったと思いたい。

  • s06********

    4.0

    伝説のラストシーン

    文藝春秋の映画ベスト150の13位?という事で前々からタイトルは知っていたがやっと観れた。 ジャン・ギャバンの出世作とあり、確かに後年の代表作に比べると若い!だが渋いとまではいかなくても何ともいえない貫禄がある。大物のオーラとも言うべきなんだろうか。 この映画のインパクトはやはりラストシーンだと言える。ただ、そこに至るまでの積み重ね、人間関係と街並みの模様、が丁寧に描かれている。 汚れた迷路のような街に現れた、まさに宝石のようなパリの女性に惹かれてしまう主人公。その気持ちが女性への恋を隠れ蓑にした、パリへのすなわち、望郷、ということ。この映画の邦題は素晴らしい!

  • 柚子

    3.0

    美が不足

    悪事に手を染めたばかりに、故郷に戻れない中年男の哀愁 このタイプの作品は、美男美女ではじめて成り立つわけで… 小太りで、ハンサムとは思えないジャン・ギャバンでは、ちょっと… 無理(^_^;) 太ったおばさんが、美しかった若き日を思いながら歌った曲が、素敵だった

  • kus********

    4.0

    大泥棒、のものがたり

    パリで強盗を働きアルジェリアのカスバに潜伏した犯罪者の主人公の華麗なお話。個性豊かな周囲の人々がよく描かれてるし、警察との駆け引きにハラハラさせられる…カッコいい主人公のペペルモコ、良くできたストーリーです!

スタッフ・キャスト

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基本情報


タイトル
望郷

原題
PEPE-LE-MOKO

上映時間

製作国
フランス

製作年度

公開日
-