公開当時パンフレットの解説より
- ハタケ さん
- 2010年11月7日 16時56分
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たった一人で映画を単なる見世物から、芸術にまで高めた男、チャーリー・チャップリン。その88年の長い道のりは、愛と勇気に貫かれた一途な、そして波乱にとんだ道だった。
「放浪紳士・チャーリー」はチャップリンのどの名作よりも、彼の生き方の方が、よりドラマチックであり、そして我々が今迄知っていたと思っていたチャプリンはその半分だけで、彼の私生活が、彼の映画人生の残り半分であったかを知らずにはおかない。
「イージー・ライダー」を制作したバート・シュナイダーが、あの名作から7年、たどりついた人間ドキュメンタリーとはまったく違った視点でアプローチしたこの「放浪紳士・チャーリー」は、数々のチャップリンの名作・名場面と、彼のプライベート・フィルム、そしてウォルター・マッソーによる現在のインタビュー・フィルムを混じえて構成されているが、ドラマ以外にドラマチックなこの巨人の足跡は見る者を感動させずにはおかない。
常に圧力と闘いながら、自己の主張をまけずに映画を作りつづけ、そして生きつづけた男、チャップリン。この稀有の、自己に対する忠実さを持ちつづけた男の生きざまを、見事に再構成し、その視点から大きなドラマを作り上げた監督はリチャード・パターソン。
現在33歳の若手監督であるが、若者らしく単にノスタルジーではなく、若者のみが持つ感性で見事に真のチャップリン像を見つめた。
インタビュアー及びナレーターに名優ウォルター・マッソー。スイスのチャップリン邸でのインタビュー、庭で遊ぶチャップリンの子供たちとマッソー一家。それを見つめるチャップリン夫妻。新しい名場面を作り上げ、チャップリンに愛情と尊敬を持ってインタビューしている。
自伝朗読がこれも名優のローレンス・オリビエ、アカデミー賞司会でジャック・レモンが出演。脚本、構成に協力したのが、バート・シュナイダーとは「ラスト・ショー」以来のコンビのピーター・ボグダノビッチ、と超一流の人々が、人間チャップリンを描ききっている。
オリジナル音楽はもちろん、チャップリン自身である。
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