アラフォー女子も、草食系男子も、
- kor***** さん
- 2013年4月9日 3時34分
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原題である『White Palace』はヒロインであるノラ(スーザン・サランドン)が勤務しているハンバーガーショップであり、マックス(ジェームズ・スペイダー)との大事な出会いの場所でもあるのですが、久々に邦題のセンスの良さに私自身も出会えて素直に嬉しかったです。主人公の少々なよなよしい性格を踏まえた的確な日本語の表現であり、言葉から醸し出される雰囲気と作品が非常にマッチしています。
やはり存在感を見せつけてくれるスーザン・サランドンは綺麗に変わりないが43歳という役相応の老け具合であるし、男運のない人生を送ってきたと一目でわかる廃れ具合。今作の翌年公開であるヒット作『テルマ&ルイーズ』に引き継がれる、女性ならではの強さと弱さも見せ、年下の男性と付き合う後ろめたさが徐々にキュートに見えてくるからやはり魅力的。ジェームズ・スペンダーならではの繊細さとの相性も良いですし、草食系男子が増加する昨今ではもしかしたらタメになる女性像や男女間の関係性を描いているのかもしれません。
最近劇場で観賞した『世界にひとつのプレイブック』と似たように普通に生活をしてきた人には理解しにくい経験をしてしまった二人の運命的な出会い。互いに溝を埋めあうように体を抱き寄せますが、肉体的な関係では留まれないと気づいた時、自らの手で開拓しなければいけない道が見えてくるのです。はたから見ればユダヤ人で裕福な27歳の男性と43歳でウエイトレスで苦しくも生計を立てるマリリン・モンロー好きの中年女性(原作ではユダヤ人や、モンロー好きをもっとアピールしているのでしょうかね?夢も希望も失いがちな40代と、周囲が結婚ムードな20代後半の年齢といい、なかなかセンスを感じるキャラクター設定です)悲劇が結びつけた二人が挑む格差社会の壁と、深く刻まれた傷とどう向き合うのか。主演二人の演技にも惹きつけられ、見応えのあるラブ・ストーリーでした。あと、キャシー・べイツがビックリするくらいのチョイ役で出演しています(笑)
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