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僕の村は戦場だった (1962)

IVANOVO DETSTVO/MY NAME IS IVAN/IVAN'S CHILDHOOD

監督
アンドレイ・タルコフスキー
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  • みたログ 219

4.07 / 評価:76件

世の中には知らなくて良い事がある

  • 海の雫 さん
  • 2012年9月30日 21時18分
  • 閲覧数 1225
  • 役立ち度 14
    • 総合評価
    • ★★★★★

タルコフスキー監督が30歳の時に撮った初長編作品であり、
映像の詩人だと世界中に彼の名を広めた作品です。

冒頭、眩いばかりの光に包まれた少年の姿が映し出されます。
少年らしい無邪気な幸せに胸躍らせ瞳を輝かせている彼。
「母さん、郭公が鳴いていたよ。」

銃声がし、壊れかけの小屋で粗末な服を着た煤だらけの顔をした
少年が目を覚ます。
12歳の彼は戦争の真っただ中で斥候(諜報活動)として
家族の敵を討つ為にドイツ軍と戦っています。

彼を戦地から救おうと軍の上層部が学校に行かせようとしても、
彼は頑なに受け入れようとはしません。

子供は大人より純粋で、だからより憎しみを募らせ、復習だけが
今の彼の生きる拠り所になってしまうのです。

彼が身を置く惨めな現実と夢で見る幸せな思い出を交互に挟み込み、
今の彼の暗い表情と、本来の無邪気な笑顔を対比する事で、
戦争によって失われて行くものを静かに浮かび上がらせて行きます。

少年の無残な最後は、あまりに切ない幼い命の幕切れ。
最後、画面一杯に広がる彼の幸せだった思い出は、まるでその免罪符のようです。

私はこの作品を観て、実際にポルポト政権下の少年兵の姿を思い出しました。
十代半ばだろうその少年は、自分が銃殺した相手を何の感慨も無く見下ろしていました。
彼の目は少年の目ではなく、冷酷な兵士の目でした。

世の中には知らなければいけない事と、知らなくても良い事があると思います。
この作品の中で少年が、上記の少年兵が心に抱えてしまったもの、
或いは失ってしまったものは、知らなくて良い事のはずです。

戦争が無くならないのは、其々の国に其々の言い分、正義があるからでしょう。
でも戦争を始めるのは大人だという事を、私達は忘れてはいけない・・・。

詳細評価

物語
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音楽

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