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ボディ・スナッチャー/恐怖の街

ボディ・スナッチャー/恐怖の街

INVASION OF THE BODY SNATCHERS

80

一人旅

4.0

あなたが寝てる間に...

ドン・シーゲル監督作。 カリフォルニアの小さな街を舞台に、地球外生命体によって住民の体が次々と乗っ取られていく恐怖を描いたSF。 ドナルド・サザーランド主演の1978年版ボディ・スナッチャーのオリジナルに当たる作品で、監督は男気溢れるアクション映画の大先生ドン・シーゲル、脚本にはこれまたバイオレンス映画の巨匠、サム・ペキンパー。上映時間80分のモノクロ作品だが、緊迫感・緊張感に満ちた演出で一気に突っ走る。中だるみや冗長な演出など一切ない。 人間の複製を作り街を支配しようとする地球外生命体と、唯一生き残った二人の男女の必死の逃走劇を描く。人間VS複製人間の“かくれんぼ”は圧巻の緊張。執拗に追う複製人間の群れを撒くため、狭いロッカーに隠れたり、薄暗い坑道に隠れたりしてその場をやり過ごす。逃げる男女の目を通して、複製人間の奇妙で不気味な生態を目撃するという演出も秀逸。隠れ家から街の広場を覗き見する男女。すると広場に複製人間が次々と集まってきて、次なる“侵略”に向けて一斉に動き出す。無個性な複製人間たちが、それぞれ別の目的地(侵略目標)に向けてトラックに乗り込んでいく姿は不気味で、壮観。 また、人間が寝ている間を狙って入れ替わるので、どんなに疲れていても主人公たちは一睡もできない。この、寝てはならないという設定がなかなかハードで、睡眠大好き人間の私からしたら複製人間に狙われる以上に絶望的。ヒロインの眠くて眠くて死にそうな表情を見るだけでしんどい。 そして、複製人間を生み出す巨大な植物のビジュアルもショッキング。グロテスクな植物の中で複製人間が生育されるという一級品の気色悪さで、50年代の作品でこのクオリティには驚かされる。見た目は普通の人間と変わらないので、生育途中の複製人間を一思いに殺せない主人公の姿がこれまたリアルだ。

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