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炎の人ゴッホ (1956)

LUST FOR LIFE

監督
ヴィンセント・ミネリ
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3.72 / 評価:50件

生前の苦悩。死後の名声。

  • shinnshinn さん
  • 2017年11月6日 6時40分
  • 閲覧数 844
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

1956年、ビンセント・ミネリ監督作品。この監督はミュージカルのイメージが強い。ジュディ・ガーランドの元旦那で、ライザ・ミネリの実父でもある。


主人公のフィンセント・ファン・ゴッホを50年60年代のハリウッドスター、カーク・ダグラスが演じています。お芝居が少し大仰にも見えますが、ファン・ゴッホ自身が今でいう、てんかん、あるいは統合失調症の可能性を指摘されているらしいので、まあ必然的なのかもしれない(アカデミー主演男優賞にノミネート)。


何が言いたいのか、手際が悪く、全く意味不明な監督も多々いる中、ビンセント・ミネリの演出は手堅く、細かいエピソードの描写が短時間にそつなく紡いでゆく織物職人さんのようです。劇中に出てくる風景と、たびたび差し込まれるファン・ゴッホの実際の作品に、何とも言えない感情が沸き立って来る(ちょっと説明がつかないのですが、絵画が持つ、本来の力強さとでもいうか・・・シロウトの自分にさえ訴えかけてきます)。


正直、ファン・ゴッホの内面まではうかがい知れないのですが、世渡り下手で、繊細過ぎるその葛藤はわかります。それが思い通りにならない作品への焦燥感なのか、画壇での評価いまだならずの現状なのか、絵が売れないという経済的な事なのか・・・・。唯一、才能を認め、経済的な援助をし続けてくれた心優しい実弟テオへの負い目もあったのかもしれない。


アンソニー・クィンがファン・ゴッホの盟友ゴーギャンを演じます。この方は自信たっぷりで不遜な役が実に上手い。主演を喰うぐらいのアクの強さです(アカデミー助演男優賞受賞)。蛇足ですがポール・ゴーギャンの晩年は経済的に逼迫していましたが、彼の作品「いつ結婚するの」(1892年作)は2015年に史上最高額の360億円で落札されたよし(遅いわ)。


とにかく、芸術家は苦悩します。「赤い風車」(52)のロートレックも、「モディリアーニ 愛の真実」(04)のモディリアーニもみんな苦悩していました。そしてお酒や病気のため、みんな短命です。決まって生前は売れない画家です。毎日、健康番組を食い入るように見つめる日本人とは全然違う(笑)。ファン・ゴッホも生前には1枚しか売れなかったとか。今となっては、ファン・ゴッホの仕事部屋に無造作に置かれた無数の作品が、お宝の山に見えます(俗物だぁ)。

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