あらすじ・解説
解説:allcinema(外部リンク)
作品レビュー(3件)
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5.0点
1991年。クロード・シャブロル監督。いわずと知れたフロベールの小説の、何度目かのかなり忠実な映画化。人生の退屈さを悟ってしまった女性が陥る悲劇。常に「新しさ」を求めて、結婚したり音楽にこったり舞踏会に出たり不倫したり育児したり借金返済に奔走したりする主人公。その度ごとに恍惚となるイザベル・ユペールの表情がすばらしいです。 夫が退屈だから不倫するのではなくて、この人生に私がやるべきことなどなくそもそも退屈なのだというのがすごい。だから退屈しのぎに不倫する。だから夫を愛する時期もある。すべてに対して「ちょっとやってみよう」的に自分を投げ出す投企的姿勢。この根源的な退屈さを描ききったフロベールがまずすごい。そして、人間のやることの退屈さを描くために、画面の中の人間を小さく、自然や動物を含めたり、外部の雑音を混ぜたり、心理的な葛藤を描かなかったりするシャブロル監督も、それを分かっているようです。 個人的にはやはり最初の不倫の始まり、有名な農業品評会での男の甘言シーンがよかった。「あなたのことはよくわかっている」と囁く男の罠。交互にカットするのではなく同一画面に二人が向き合っている構図で、次第に抗うことができなくなるユペール。彼女の全盛期はここにあるのかも。
- fbx********
5.0点
シャブロルでは意外な文芸作。 歪んだフィルム・ノワールが得意ではあってもさすがにうまい。 イザベラ・ユペールの濃い演技が鼻につくかもしれないが、 名作の香りも濃厚。
- いやよセブン
4.0点
医者である夫は真面目で誠実、だから面白味がなく退屈でふさぎ込むボヴァリー夫人。 夫は転地療養的に少し大きな街に引っ越す。 舞踏会を楽しむボヴァリー夫人は不倫の果てに駆け落ちを画策するが、相手の男の裏切りで果たせずに終わる。 ボヴァリー夫人に悪意はなく、ただ人生を楽しみたい、それだけだったが、社会の深みにはまり、身動きがとれなくなる。 人間社会はルールからはみ出した者には厳しいのです。
スタッフ・キャスト
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