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ボルサリーノ
2014年3月1日公開

ボルサリーノ

BORSALINO

1252014年3月1日公開

shinnshinn

5.0

二大スターがっぷり四つ。

プロローグの刑務所から出て来たばかりの前の男(ドロン)と今の男(ベルモンド)との間で、右往左往する女(情婦)のエピソードだけで映画のつかみはOKな感じです。 1930年代のマルセイユが舞台のギャング映画(今はもうギャング映画とか言わないのかな?笑)。当時のフランス2大スター、アラン・ドロンとジャン=ポール・ベルモンドが初共演という事で話題になったのではないのか。 チンピラの二人が手を組んで裏街道でのし上がって行くお話。フランスの様式美を軽快なピアノの旋律と華麗な衣装で楽しむ映画。伊達男のドロン(やっぱ、いい男だわぁ)とタフガイのベルモンド(中坊男子にはこっちの方が人気でした)がスクリーンで火花を散らしています。題名のボルサリーノはフェルトでできた紳士用高級ソフト帽であり、一旗揚げてそのイタリア製のボルサリーノでもかぶろうぜ!という意味あいが込められているらしい(淀川長治氏談)。 映画の色調で言えば「ゴッドファーザー」のような重厚感はありません。「仁義なき戦い」のような泥臭い臨場感もありません。実録もの、ドキュメンタリータッチでもありません。あくまでも野心家の若者二人がダンディに決めながら元気いっぱい暴れまわる活劇であり、リアリティよりはレトロ感やノスタルジーを重視しています。二大スターの見栄を切る合戦を楽しむ、つまりお祭り的な映画です。監督さんも、ほぼ同期(ライバル)のこのお二人には、カット数やカット割りなどの公平性にも気を使っているのか、明確にどちらが主演とはいえない仕上がりになっています。 とことん美しいドロンを楽しむもよし、いかにも粗削りで男っぽい味わい、お鼻の大きなベルモンドを楽しむもよし、お客様次第でございます。 昔から二大スター共演の企画は名ばかりのものや、ベテランスターと若手スターのかみ合わせが不発に終わるなど、失敗作も多いのだけれど、本作は割と上手く行っているのではないのか。「コールドマウンテン」が成功したひとつの理由に、「私ってキレイ、ウフフ」なニコール・キッドマンと、「お芝居で勝負よ!女優なんだから」のレネー・ゼルウィガーのいい意味での化学反応があったのではないのか。レネーはちゃっかし助演女優賞を獲ってましたね・笑。とにかく、二大スターものはハマルといい相乗効果のときもある「スティング」とか「パピヨン」とか、昔なら「リバティ・バランスを射った男」とか。 ちなみに本作には続編もあるのですが、ベルモンドが出演していなかった分、パワーダウン感は否めませんでした。

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