4.0点
1985年にアメリカが作った映画。内容は、一言で言うと1980年代東西冷戦時代、ソ連から脱出を試みるバレーダンサー達の話。 1980年代というとまだソ連すなわちソビエト連邦があった時代。この時代の東西とは、東がソ連、西がアメリカだった。2大超大国と呼ばれていた。 この映画は西側から見た視線で映画作りがなされている。アメリカ国民が喜びそうな筋書き。なので、映画の端々まで全部公平かというと全然そんなことはない。あくまでも西側から見た東側なので、全部そうなの、そうなの、ふーんと納得して観るのは危険。でも、ソ連をだいぶうまくそしておかしくなく表現できているような気がした。 主人公のバレーダンサーニコライは亡命した経歴を持つアメリカ人、そしてタップダンサーレイモンドはソ連に亡命した元アメリカ人。ソ連は両者に対し奴隷のような扱いはしない。それはアメリカに国力があるからだ。しかし部屋の中に監視カメラ、そして外には見張りと監視天国である。今の中国がまさしくそのとおり、そのまま。 そして在ソ連アメリカ大使館は治外法権。アメリカ大使館員にはソ連は丁寧に対応する。これは、全部、ぜーんぶアメリカに絶大な国力があるからなのだ。 映画が終わって考えてみた。ソ連は日本人に対しどうしてきたか。戦後、満州にいて逃げ遅れた日本人日本兵たちをシベリアに抑留し、奴隷がごとくこき使った。お亡くなりになられた方々も多々。西に目を向ければ例えばポーランド。ポーランド人もソ連の奴隷だった。日本もポーランドも国力がないから舐められたのだ。 金正恩。アメリカの前のトランプ大統領の会談要請には渋々応じシンガポールで会談したが、日本からの横田めぐみさん返してという要請には全く応じず。 尖閣諸島は日本固有の領土なのに、領海に中国艦船が入ってきても口で抗議するだけ。中国にとっては蚊にさされるようなものである。 北方領土、樺太の南半分そして千島列島すべて日本の領土なのにソ連に占領されたまま。今はロシアに占領されたまま。プーチンはなんら話し合いにも応じず。 日本には国力がない。痛切に感じた。こういう映画を観て日本を考えると悲しい。日本人は一人一人こういう事情をよく考え、どうしたら国力を冨ますことが出来るのか考えることが大切と切に思う。