マイラ

MYRA BRECKINRIDGE

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マイラ
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作品情報上映スケジュールレビュー

あらすじ・解説

解説:allcinema(外部リンク)

作品レビュー(1件)

セクシー14.3%不思議14.3%ゴージャス14.3%笑える14.3%コミカル14.3%

  • 真木森

    5.0

    禁断の封印作品はキッチュでご無体でした

    びっくりしました。先月号の『映画秘宝』であのカルト作『ジョアンナ』&『マイラ』のDVD化が宣伝されているじゃないですか。そしてこのGW、満を持して鑑賞しました。うーん、前もって情報を仕入れていた以上に奇矯な作品ですなあ。マイラとマイロン二人がいっぺんに画面上に出てくるのは「あれっ?」って思いましたが、ブニュエルの『昼顔』と同じ手法だとすぐに気付いて納得。メエ・ウェストも齢76歳だというのに歌も披露して堂々の貫禄。J.ヒューストンがお抱えの女の子に何かとヘンなマッサージをしてもらうのも、『チャーリーズ・エンジェル』でティム・カリーがやっていたのは本作のオマージュだったのかと変な方向で納得(こういう所であの映画はファラ・フォーセットに目配せしていたのか!?)。問題はR.ウェルチです。元々がコメディエンヌ志向の人だそうで、こんなにもおバカな演技を見事なアクション力でノリノリに演じているのに唖然。冒頭のミュージカル的ダンスも何か凄いですが、編集でごまかしているとは言えレックス・リード相手にフェ@チオするシーンが程なくしてあって仰天。中盤ラスティにガンガン迫って裸にしてお尻までむきだしにしたり、ペニスバンドでアナル処女を目茶苦茶に陵辱する無体さは「そこまでやるか!?」という迷いのなさ。プロに徹していると言おうか、元々こういうお下劣なのが本性なのか。E.テイラーや越路吹雪、現代ならレディガガがゲイに人気があるのと同じく、逆にこれで新たなR.ウェルチファンが増えるかも知れませんね。そのくどいメイクといい米国旗をデザインしたド派手ビキニといい、ラストでパンティを脱いで@@をさらす剛胆ぶりといい、役柄以上に存在感そのものがほとんどドラッグクィーン。米国で「セックスシンボル」と言われた女性には時折こういう傾向の人達がいますよね(例えば当のメエ・ウェストがそうだし、J.マンスフィールドやマドンナも)。  そう、本作はそもそもがゲイ作家ゴア・ヴィダルの問題小説を映画化したものだけに同性愛的なキャンプ世界が横溢しています。レックス・リードのようなモノホン以外にも、『ジョアンナ』であれだけ凛々しい存在だったカルヴィン・ロックハートがおカマ役で違和感紛々に登場。R.ウェルチとF.フォーセットのレズシーンまであってもう満腹。  そして可愛そうなのが純情カップルの陵辱されっぷり。ラスティなんか弱みがある引け目で前述の通り姦られた上に最後はレティシアに精魂搾り取られて意識を失っているのは哀れ。これってスレスレでコメディになっているけれど、男女を反転させたら残酷業界ポルノ劇画の世界ですよ。メアリー・アンだってぼやかしているけど彼氏と引き裂かれて姦られてしまった訳ですよね。ゴア・ヴィダルって無垢なカップルを無慈悲に嬲る設定が好きだったのか、『カリギュラ』でもごく似たエピソードがありましたよね。最後も混乱していて、「あれっ、最初にD.キャラダインのマッド博士が切り落としたんじゃないの? 付いたままだったのなら、あのペニスバンドは何だったの?」「マイロンに戻っているということは、整形でなくて女装でマイラに化していたということ? それとも心の中の男性が完全に自己実現したというメタファー?」制作現場はキャラの濃い面々ばかりで混乱の極みで、サーン監督は耐えられずコカイン漬けでハイにならなきゃ撮影できないほどだったとか。このくらいの混乱は当然なのかも。  それでもサーンの古い映画の造詣も相当なもので、古いハリウッドの作品をサンプリングする手法は見事です。今では常套となったこの手法ですが、モンティパイソンもまだ活動してない頃にこのパロディ感覚は斬新! サーン以前の例はあるんでしょうか、映画史研究家の方、調べてみて下さい。でも使い方もスレスレ(というか完全にやり過ぎ?)ですね。マイロンが自慰して射精寸前に『アルプスの少女ハイジ』に切り替わってS.テンプルが乳搾りをするという身も蓋もないサンプリングがあって、当のS.テンプルが激怒してカットさせたという逸話もあったようです。  こんな感じで、とんでもない乱暴狼藉ムービーです。「封印された禁断の映画」という惹句に余り期待すると「なんだこりゃ」となりますから、あくまで闇に葬られていたのも半ば自業自得だった「理由あり作品」と捉えておくと良いでしょう。でも監督の持ち味なのか、映画はカラッと乾いてニューシネマ的な後ろ暗さがありません。やっぱりサーン監督はスウィンギング・ロンドンの文脈から出てきた作家だったのです。積年の思いも加味して、ちょっと甘めの★5つ評価です。 〈追伸〉友情出演か、『ジョアンナ』のジュヌヴィエーヴ・ウェイトが一瞬顔を出します。そして本作の音楽担当がママス&パパスのジョン・フィリップス。二人はここで出会って、そして意気投合してゴールインしたのかも。

スタッフ・キャスト

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基本情報


タイトル
マイラ

原題
MYRA BRECKINRIDGE

上映時間

製作国
アメリカ

製作年度

公開日
-

ジャンル