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間違えられた男 (1956)

THE WRONG MAN

監督
アルフレッド・ヒッチコック
  • みたいムービー 33
  • みたログ 387

3.61 / 評価:99件

怖い怖い…。

  • pin***** さん
  • 2014年11月24日 22時05分
  • 閲覧数 966
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

ヒッチコックの全作品を見たと思い込んで、トリュフォーとヒッチコックの対談集「ヒッチコック映画術」を読んでみたら、初期の短編以外にもこの作品を見ていないことに気づきました。

ネタバレしてから見るサスペンスというのはちょっと残念だったのですが、それでも十分楽しめたのは、さすがヒッチコック。

ところでこの作品冤罪を扱ったドキュメンタリータッチの作品と言うことで、周防監督の『それでもぼくはやっていない』を思い出さざるを得ませんでした。

間違いで逮捕されるも、保釈され、冤罪をはらすために裁判で戦うという展開は全くそっくり。

中盤から主人公をサポートする弁護士が登場して明るさが見えてくる展開もそっくり。

展開においての違いは「それでも」が冤罪をはらすことが出来ずに控訴するところで終わるのに対して、本作が真犯人の逮捕で釈放されるところでおわるところでしょうか。

もちろんその違いは周防監督が冤罪と日本の裁判制度の問題点を描こうとしたのに対して、ヒッチコックが冤罪をかけられた者の恐怖を描こうとしているところから生まれるんでしょうね。

描こうとしているものが全く違うわけです。

でも、周防監督、この作品を参考にしていませんか?ってくらい似てるんでびっくり。

面白いのは、ヒッチコックが冤罪で捕まった者の恐怖を本人の苦悩で描くというよりは、その妻が精神のバランスを崩すということで描いていること。

冤罪によって失うものは周囲とのバランスというわけですね。

といって冤罪によって主人公が押しつぶされてしまったのでは物語として面白くない。
観客も困難を克服する主人公を見たいわけだから納得しないでしょう。
そこで、冤罪の不幸に押しつぶされる人物として、主人公の妻が描かれるわけです。

前述したヒッチコックのインタビューによると、この物語は実際の冤罪事件を下敷きにして描いたものだとのこと。

その事件でも被害者の妻が精神のバランスを崩してしまったということです。

それにしても、状況証拠だけで裁判を進めていく警察と検察、感情で人を裁きそうな陪審員に歯がゆさを感じました。
特に、主人公を強盗だと断定した保険会社の事務員ら。
真犯人が現れるや、自らの証言を覆して、被害者にわびることもない。
映画とはいえ、その態度にははらわたが煮えくり返る思いでした。
(要はヒッチコックに手玉に取られたわけですが…)

ヘンリー・フォンダの誠実そうな雰囲気、冤罪をかけられても強く抗議するわけでもなく、ただただ戸惑っている姿は面白い。
激高して強く抗議するよりもかえって精神的な強さがあるのかもしれません。

それが、かえって妻の精神的な弱さを対照的に浮き彫りにしています。

前半はいささか『それでも…』的でポリティカルな主張を感じさせるのですが、後半妻の精神バランスの失調にいたって、きわめて心理的なサスペンスとなっていきます。

さすがヒッチコック。

光と陰のコントラストの強い画面もスタイリッシュ。

詳細評価

物語
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