街の野獣

NIGHT AND THE CITY

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街の野獣
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作品情報上映スケジュールレビュー

あらすじ・解説

解説:allcinema(外部リンク)

作品レビュー(4件)

かっこいい28.6%勇敢28.6%切ない28.6%泣ける14.3%

  • 真木森

    4.0

    偉大なる父の気概と、移民2世の敬慕の物語

    名優リチャード・ウィドマークのベストワークだとの声望も高い作品です。あの『ピンク・バンサー』シリーズのドレフュス警部役ハーバート・ロムのごく若い頃の姿も覗うことが出来ます。これが暗黒街でプロレス興業を一手に仕切っているギャングで「こんな役もやっていたのか」って感心しますが、『ピンク・パンサー3』でも悪の大帝国を組織してましたからこの方が本来の持ち味? ジュールス・ダッシン監督も赤刈りでハリウッドを追われた直後でしたが手腕が冴えています。この3名は数年前に続いて逝去されました。心から哀悼の意を捧げます。  さて、作品ですが、私はノワールものとしてはやや残念作だと思うのです。それは主人公とヒロインの在り方で、ウィドマーク演じるハリーは「タフ」のかけらも見られない卑劣漢。口八丁で生きており、バーの歌手であるメアリーのヒモでもある。彼女のなけなしのお金を無理矢理奪っていくイヤなシーンがあります。そういう具合にメアリーはノワールもののヒロインからは遠い「日陰の女」として描かれており、男を手玉に取りつつも自分の生き方を貫いていく爽快感がありません。この女性がジーン・ティアニーだと気付くのに随分時間がかかりました。他の作品でのオーラが全くなくて地味な印象なんです。「あれ、エラ・レインズにしては瞳の感じも違うなあ」って思っていたのですが、これは同じ監督の『真昼の暴動』との混同。という訳で、フィルム・ノワールの女性達が魅力的なのは「女を武器にしつつも自立して生きている」というその潔さ、女版タフネスを体現しているからで、本作みたいに浪花節的だったり古い仏映画みたいにジメジメしているとどうも…。  しかしだからといって本作がダメかというと全くそんなことはありません。男のダンディズム、気概を示す人物は他にいます。それは取りも直さず伝説のレスラー老グレゴリウスを演じたスタニスラウス・ズビスコです。なんでも1920年代に活躍した名レスラーだそうで、私も昭和のプロレスは熱狂して見ていたのでその実力の程がよく分かりましたよ。相手のストラングラーがパンチ攻撃や顔面かきむしりなどで危機を脱しようとしているのとは対極に、まさにそのスタイルはグレコローマン。堂々とした体躯にやたら長い腕。それを十二分に生かしたヘッドロックにベアハッグは地味で、息子に「興業が成り立たない」なんて批判されていますが、しかし本物が分かる人にとっては筋金入りの鍛錬の技。そして最後の最後まで自らの信念と真の強さというものを追求して亡くなっていく。うーん、男です。そもそもボクシングを題材にした映画は昔から数多く作られていて、グリフィスの『散りゆく花』にもボクサー崩れの父親が出てくる。それに対してレスリングを演出した映画は少ないんですよ。リメイクの『ナイト・アンド・ザ・シティ』は未見ですがこれだけの見事なレスリングシーンがあるかなあ。 それはさておき、グレゴリウスに対する息子クリストの態度もなかなか面白いものがあります。彼は暗黒街の元締めで権力もあるのに、こと父親に対しては申し訳なさというか「敵わないな」感を出しており、敬愛の念すら前面に出している。道を外したドラ息子とか「親父、邪魔だよ」っていうようなよくあるタイプの悪党像ではないんですね。きっと彼は、移民第一世代として刻苦し、そして偉大なレスラーとして声望を上げた父親のことを誇りに思っている(推測するに第一次大戦期に東欧から移住してきたのでは)。自分もそういう父のような存在になりたかった。しかしそれは余りに高すぎる壁。そして移民として裏家業に手を染めるしかなく、それなりに成功したもののいまだ父には忸怩たる思いがある。ハーバート・ロムはチェコ移民で、そしてスタニスラウス・ズビスコはポーランド出身。敵役のマイク・マズルキはウクライナ出身で、舞台は英国ですが東欧移民達の持つ悲哀と気概を見せてしびれます。J.ダッシン自身がロシア系ユダヤ人アシュケナージ2世で、このクリストに何かしらの共感を持って描いたものと思うのです。  夫が大嫌いで、店の権利書を手に入れようとしている夫人の姿にも何らかの真実を見ましたね。裏切り、出し抜き合い、真面目なメアリーやグレゴリウスは利用されるばかりで、ハリーは困難に直面してただ逃げ続ける。ただしJ.ダッシンが結局は温かい人だと思うのは、こんなハリーにもノワールの主人公としての花道を作ってあげている所です。それはもしかしたら赤刈りで米国を追われた自分自身の「かくありたかった姿」なのかもしれません。という訳で、ノワールの文法で撮られているため薄暗い中で蠢いている画面ですが、どことなくスコーンと明るい。これぞJ.ダッシン監督の特性です。かつては知る人ぞ知る逸品でしたが、今ではDVDも出て目にしやすくなりました。ぜひ見てみてください。

  • mut********

    5.0

    ネタバレ八百長なしの 真剣勝負(セメント)

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • じぇろにも

    3.0

    レスリング・ショウ

    ナイトクラブ

  • jig********

    4.0

    グレゴリウスに男の生き様を見た

    色々な儲け話を人に持ちかけては失敗していつもすっからかん。 しかも、女性にいつもたかるときたもんだ。 こんな野郎のどこがいいのよ?と思うわけですが、 夢を追ってる人って素敵♪となるのか、 女性はなぜか男性を切り捨てられなかったりします。 そんな男が偶然出会った伝説のレスラー、グレゴリウス。 グレゴリウスは昨今の見世物と化したレスリングを 苦々しく思っており本格思考の男。 でも、その見世物のレスリング興行を牛耳っているのが 実の息子というなんとも複雑な事情です。 物語は儲け話を持ちかける男がグレゴリウスに目を付けて 彼の育てた本格派のレスリング興行をしようとして 設けようと思うも、グレゴリウスの息子や その他もろもろに邪魔されて窮地に立っていくという お話なんですが、個人的にはこの口ばっかりの男 どーでもええわと思うくらい、 グレゴリウスがかっこいい生き様だな~と好きになりました。 引退してすでに結構な歳なのに、 本格的なレスリングにこだわりつづける男、 後半、すったもんだの挙句彼と見世物レスラーの人気者と 戦うはめになりますが彼の衰えないファイトに胸が熱くなります。 なんかこういうの弱いんですよね。 お父さんの意地がレスリングへの熱へと変わっていて 見ていて応援したくなります。 見世物興行を牛耳る息子を嫌っているのに、 彼への想いも忘れていない・・そんな人間的な部分にも惹かれました。 で、話はもどって 儲け話がポシャって追われる身となった彼でしたが、 後半になってようやく、彼女に悪いことした・・と 反省の弁を述べて最後は男らしく振舞った行為には素直に関心。 そこまで腐っていなかったんだなと、 そこは救われた気持ちになりました。 白黒映画ですが、 白黒作品のよさは明暗の見せ方が巧妙ということですかね。 色が明るい黒か暗い黒か・・という程度の識別しかできなくとも そこからいかに効果的に見せるかという手法に長けていると思います。 光が顔の一部にだけあたるとか、 その人の切羽詰った状況を表現するのに最適なのかなと 思いながら見入ってました。

スタッフ・キャスト

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基本情報


タイトル
街の野獣

原題
NIGHT AND THE CITY

上映時間

製作国
アメリカ

製作年度

公開日
-

ジャンル