幻の女

PHANTOM LADY

87
幻の女
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作品情報上映スケジュールレビュー

作品レビュー(3件)

かっこいい11.1%セクシー11.1%勇敢11.1%不気味11.1%ロマンチック11.1%

  • bakeneko

    5.0

    ネタバレThe night was young, and so was he…

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • 真木森

    5.0

    原作とはまた別個の、ノワールの勇たる逸品

    GW明けから古いDVD収録映像をBDに移植してますが、WOWOWでかつて特集してくれた「犯罪と美女」=フィルム・ノワール作品群が発掘されました。その中でも秘中の秘たる映画が本作です。原作は推理小説史上に残る大傑作で、私も高校生の時分に読んで感銘したものです。「パリ万博母親消失事件」を下敷きにしたとおぼしき、証人にことごとく反証されていくその不条理劇のような展開。刻一刻と死刑の日が近づいていくサスペンス。「夜は若く彼も若かった」という有名なフレーズそのままに綴られる美しい文体…。第一級のノワールになっているに違いないと期待して本編を見たのですが、「あれっ、この秘書って誰?」。原作ファンならご存じの通り、このキャロルが女探偵よろしく街を闊歩する時点で原作の重要秘匿設定を開けっぴろげにしていますよね。しかも驚くことに映画が半分にさしかかった時に真犯人が明かされてしまう! しかもその真犯人は後半からキャロルに同行して「幻の女」を一緒に探す! さらに「幻の女」はあっさりとその所在が判明し、キャロルと不思議な味わいのあるやりとりをする。この「幻の女」の描写が秀逸で、本当に@@した人間の行動パターンがリアルな感触で映し出されます。それはともかく、最後は真犯人とキャロルが対峙し、典型的なハリウッド・エンディングで幕が閉じる…。ハードボイルドの側面をキャロルに収斂させて展開し、見事なノワールに仕立て上げたシオドマク監督の手腕はさすがですが、原作の醍醐味とも言えるポイントを早々にオープンしてしまって、これは「珍品」の域に入るんじゃ…。これは原作フアンには許せない代物だと思え、私も「何だったんだろう」というモヤモヤ感を残して、録画DVDは押し入れの隅に収蔵されたました。  しかし原作抜きで考えたらなかなかの出来であることも事実です。何と言っても女主人公を演じたエラ・レインズが素晴らしい。碧い眼に切れのある所作、果断な行動で閉店までジッとバーテンを見つめ、深夜でも女一人で追跡する。「散歩してただけよ」タフ! 一転してドラマーに接近する時にはヴァンプ風の出で立ちでこれが妖艶! 凄い迫力でクリフに迫るのですが、その裏でキスされてイヤそうに口をぬぐうその顔ったら(このドラマー役はエリシャ・クックJr.で、数々の作品で名殺され役をやって本作でも…。ドラミングの激しさは彼にとっても一世一代の見せ場)。そして髪を下ろした彼女は実に女っぽくて守ってあげたくなります(思うに同年の『ローラ殺人事件』のJ.ティアニーが意識されている?)。抜群の演技力で魅せてくれてすっかりファンになりました。どういうキャリアの方なのか調べましたが案外作品数には恵まれなかったようですね(『拳銃の町』『真昼の暴動』でも素晴らしい演技を見せているとのことなので今度チェックしてみます)。もう一人の名演は「俳優の中の俳優」と謳われたフランチョット・トーンです。アクターズ・スタジオの前身になる組織の創立メンバーの一人であり、本作ではサイコパスの複雑な内面描写と二重人格、危うさ・突発性を表現して抜群! 白くライティングされた手は異常殺人者の心模様を何よりも雄弁に語ります。彼は時代を先取りした役柄を作っていた! 最後になりますが、実はヒッチコックは本作から相当に想を得ているのではという試論があるのです。途中で野卑なおばさんがリンゴをかじりながら喋るシーンに「これは『私は告白する』に引き継がれた描写?」って疑念が生まれたのが端緒ですが、その観点で見たら出てくること出てくること。そもそも本作自体が『疑惑の影』の影響下にある部分が大きいと思うのですが、アプリオリに男性の無実を信じて捜査する女性像は『白い恐怖』や『舞台恐怖症』、超人論理による殺人は『ロープ』でネクタイ殺人は『フレンジー』、何よりマーロウ像は『サイコ』のノーマン・ベイツに引き継がれたものと思えますし、色々なものを明かして「彼女は真犯人に殺されてしまうのでは」というサスペンスに転化した手法は『めまい』の構造にヒントを与えた? かの大監督は口外していないだけで結構他の監督から表現をパクっていることも多く(ムルナウは有名ですが、私見ではブニュエルやF.ラングの引用がかなりある)、ミステリー好きだったヒッチコックは本作も原作もよくよく自己のものとして咀嚼せしめたのでは。『北北西に進路を取れ』なんかは思い切り「不可解なほどにことごとく不在証言をされて、仕方なく自力で証拠探しをする」という物語ですし、今後研究すべき課題です。  という具合に相当見所のある逸品です。原作乖離と言う無かれ。まずはミステリーの傑作である原作を読んで、それをノワールに落とし込んでいく時にどのような仕掛けが成り立つかを如実に示しているとも言えましょう。欠点はあれども芳醇なテキストです。

  • osu********

    4.0

    読んでから観てはダメらしい

    1942年に発表されたウィリアム・アイリッシュ著の 有名なミステリー小説の映画化。 1944年度のアメリカ映画です。 御察しの通り、この時期は太平洋戦争真っ只中であります。 日本にアメリカの作品(映画でも小説でも)は輸入されてません。 そんな時代に、かの江戸川乱歩は、この小説を読んでいて すぐにも翻訳し出版すべきだと主張したというのは 有名な話らしいです。 実際に、原作が日本で初出版された年は、私の勉強不足で 解りませんが(当然戦後)、この映画は、1951年日本公開です。 それにしても、日本中が戦争一色で、ゆとりもない時代に 相手国であるアメリカでは、悠々とミステリーの世界が 受け入れられ、余裕ある状況だった事に、国の差を感じます。 とある酒場に、大きな鍔の孔雀の羽が付いた帽子を 被った女が一人で飲んでます。 憂鬱そうな女です。 その女をヤケ酒を飲みにきた感じの男が 隣に来て話かけます。 話してるうち男は、ショーのチケットを持ってるから 一緒に見に行かないかと女を誘います。 酒場を出て、タクシーに乗って、劇場へ。 ショーには、黒人の女性歌手が登場しますが、 誘った女と同じ帽子を被ってました。 歌手は、舞台から客席を見て、 観客に同じ帽子の女が居ることが分かり、 センスが先取りされた気がして、 こんな帽子、2度と被らないと楽屋で憤慨します。 で、ショーを見た後、二人は別れ別れになり、 男は自宅へ戻りました。 すると、様子がおかしい。 見知らぬ男達が居ました。 彼らは警官だったのです。 家に居たこの男の妻が、絞殺されてたのです。 容疑はこの夫に掛かりました。 殺害推定時間に男はどこにいたのか。 裏づけ捜査、警察は夫を連れ、当日行ったという 酒場へ行きます。酒場のバーテンは 男を当日見た記憶はあるが、独りだったと証言。 タクシーの運転手も男一人だけ乗せたと言います。 あのショーの歌手までが、当日は同じ帽子を被った客は 見ていないと言います。 これはどういうことか? 男が誘った女は幻か? この作品の原題は、ファントムレディー まさに幽霊だったのでしょうか。 夫の供述が曖昧であることから 裁判では有罪で、死刑を勧告されてしまいます。 さぁどうすれば無実を証明できるのか? 真犯人はどこに?女はどこに居るのか? これ以上詳しくは書きません。 興味を持たれた方は是非見て下さい。 ただし、DVDはレンタル屋にはあまり 出てないようです。 私は宅配レンタルで見ました。 有名な原作なら文庫本で手に入りやすいでしょう。 が、原作の方が優れているらしく、 あの双葉十三郎先生の評では 原作を読んだ者にとっては 失望である。と書いておられます。 私は原作を読んでませんが、 何と無く分かります。 あの幻の女を具体的に見せられるよりも 文章で想像した方が 神秘性は増すというものでしょう。 原作ではどうか分かりませんが、 映画では殺された妻が 死体も含め、一切顔を見せないという演出です。 ファントムレディーもそうすれば良かったのかも しれませんが、難しいところでしょう。 でも、一番の魅力は、妻でも幻の女でもなく 投獄の男(会社社長)を救おうとする 秘書であります。 エラ・レインズという女優さんが演じてますが スマートでクールな美人です。 彼女が酒場のバーテンを追跡するシーンとか ショーのドラマーから真実を引き出そうとする所など 映画らしさ炸裂の見せ場です。 遅ればせながらの紹介ですが、彼女が主役ですよ。 物語のてん末は明かせませんが、 ラストは事件解決以上の ハッピー感が味わえ、本当に良かったと 涙目になってしまいました。 これもヒロインが魅力的だったからでしょう。 ちなみに、この「幻の女」は、1971年ごろ 日本でテレビドラマ化されてます。 日本テレビ製作「火曜日の女シリーズ」のひとつ だったようです。 小学校のころですが、 このシリーズはよく見てたので これも見てるはずです。書いてるうちなんとなく 記憶が蘇ったような気がします。 さらに、このシリーズには、あの「犬神家の一族」を 現代(70年代)に舞台を移した「青いけものたち」 というのがありましたよ。 スケキヨは戦場ライターかなにかで、 ベトナム戦争かなんかの取材中に顔に火傷を負ったという 設定でしたよ。子供としては恐かった記憶あります。 このシリーズDVD化されないかな。 ちょっと脱線してしまいました。すいません。 同じミステリー枠内ということでご勘弁を・・・

スタッフ・キャスト

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基本情報


タイトル
幻の女

原題
PHANTOM LADY

上映時間

製作国
アメリカ

製作年度

公開日
-

ジャンル