若い頃に観ておいて良かった。
- pro***** さん
- 2017年7月3日 17時42分
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- 総合評価
まだ男も知らない中学生の頃、吉田秋生の「カリフォルニア物語」を読んだのがきっかけで観た。吉田氏はこの映画にインスパイアされて「カリフォルニア~」を描いたそうな。
都会の闇で若さだけを持て余し、厳しい現実の中で芽生える儚い友情。
漫画よりヘヴィーな内容で少女漫画とは程遠いが、焦燥感や挫折感、社会の底辺で孤独を暖め合う無力な2人、どうしようも無く憧れ続けたマイアミ行きのバスで力尽きるラッッオ。(当時ネズ公との字幕)バカ泣きした。
先日CSでやっていたので何十年ぶりに懐かしく観た。
流石に泣きはしなかったが、とにかくダスティン・ホフマンが凄くて。
薬の乱痴気パーティーや、社会的地位のあるゲイのオッサンの心理描写など、今観て深い意味が解るシーンもある。
当時は「男娼が商売になる」事の本当の意味も良く解っていなかったが、それでもこの映画が何を描いているかは伝わった。
逆に今なら
「田舎者の世間知らずが、世の中そんなに甘くねぇわ」
と暗い映画で片付けて星三つで終わり、だっただろう。
現実の物事に対する対処の仕方を身につけてしまった今、これはストーリーは暗いがまさしく青春映画なのだな、と自分の内面的な成長(老化?)を実感させられた。
人生のベスト10に残る、味わい深い映画です。
詳細評価
イメージワード
- 泣ける
- 悲しい
- 絶望的
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